2007年2月 4日

『トーキョー・バビロン』 馳星周


 崩れ落ちたITバブルの寵児、太く短く楽な人生を選んだヤクザ、身体を壊して先行き不安なキャバクラ嬢、使い込みで首が回らなくなった消費者金融の課長。それぞれが自分がおかれた現状(不満や不安)から抜け出そうともがいている人間が絡み合って、そこから抜け出す為に大金を掴もうとする。終点のないジェットコースターのように誰もがドキドキするような計画を立て徐々に高みに登って行く。光りが見えそうになった時に下りはじめ、それぞれの人間の思惑が絡んで地に落ちてゆく。奪う金は悪徳消費者金融からだが、そこにはヤクザや警察が絡んでいる。金を手に入れても身動きは出来ない展開になるのは目に見えているが、落ちてゆく人間を書かせたら馳星周は上手い。ただ、これまでの作品と比べると狂気という部分が弱い気がしたね。


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