主人公は少年・惟朔。惟朔と言えばこれまで読んだ百万遍シリーズに登場しているから、その幼少時代を描いた作品。花村萬月の自叙伝的な小説で、ちょっとデフォルメしすぎかなとは思うけど、花村らしさが出ているので面白く読んだ。
時代背景から懐かしい描写がいくつかあって、自分の過去を思い出してしまった。例えば「はらっぱ」や「どかん」など。今はない原風景を思い出させるような言葉です。惟朔が大人びていますが、大人が描いた子供なのでこれは仕方がないですね。無理をして破綻するよりはいいと思う。この本を読んだあとに百万遍を再読したくなった。
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