小説の静かな凄みと深い味わい。珠玉短編集。大学の野球部で同期だった男の死。その奇妙な最期を聞いたとき、封印しておいたはずの少年の日に目撃した一人の女の死の記憶が甦る…。人間の孤独と死を抑えた文体で描く表題作等10編を収録。
伊集院静氏は好きな作家のひとりなので新刊がでると必ず手にとってみるが、今回の短編集は読めば読むほど出口が見えなかった。まるで曇天の空の下を何かを捜して彷徨うような感じだった。今の僕には理解出来ないのかもね。10年後にもう一度手にとってみたいと思う。そう言えば、吉行淳之介氏や色川武大氏のいくつかの作品で同じ感覚を受けたなぁ。
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