招聘医師として平壌入りを決意した津村。万景峰号で海峡を渡った舞子。中朝国境から潜入した寛順と東源。彼らの運命が交錯するとき、現代史を塗り替える大事件が勃発する。北朝鮮の深層を抉り出す衝撃作。
この本に書かれていることのどこまでが北朝鮮の実情なのだろうか。テレビでしか見たことはないがかなりリアリティのある描写だと思った。別々の目的で北朝鮮入りした4人だったが、実は北朝鮮を大きく揺るがす事件に巻き込まれて行く。その過程で北朝鮮とはこういう国だ、いいところもあり悪いところもあり、このままではいけないんだという事が伝わって来る作品だった。最後はどうなったか気になるところだが北朝鮮が変わるにはそれしか無いのかもしれない。
登場する津村、舞子、寛順の人物描写が薄いと思ったら、これ以前に発売されている『受精』で3人の出会いが書かれているらしい。先のこちらを読んでから『受命』を読むと3人の人間関係がよく分かって面白いかもしれない。
コメント