小笠原諸島の本島から船で1時間30分かかる離島に保安官として赴任した高洲。島は戦時中はアメリカ軍が駐留していて、その時の遺産を巡って様々な事件が勃発。島民はそれぞれの事情から秘密を持っているといるので事件の真相がなかなかつかめない。
離島に赴任した高洲は元警視庁捜査一課にいた人物なので、事件が起きるとどうしても深いところまで探ってしまう。と言う辺りは大沢在昌が描く刑事そのもの。半分ほど読んだところで犯人が分かってしまったが、複雑に絡んだ人間模様が面白いので最後はどういう結末になるのか楽しく読めた。ストーリーにトリックをいくつもちりばめているが、大沢在昌の作品をいくつも読んでいればある程度見えてしまう。でも、見えても面白いのがいい。まあ、好きなラーメンは味が分かっていてもたまに食べたくなるみたいなものか。分厚いのでじっくり読むことが出来たけど、離島で起きた事件なのでもう少し短くてもいいかな。
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