『竜の道 飛翔篇』 白川 道

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 白川道は好きな作家のひとりである。好きな作家なので内容の良し悪しはともかく何でも読んでみたくなる。今回の『竜の道 飛翔篇』は飛翔篇とあるように続編が用意されている。
 竜とは主人公の双子竜一と竜二からとったものだろう。今回の飛翔篇では兄・竜一が全面に出ている。竜一と竜二はゴミ捨て場に捨てられていた孤児。育ての親は廃品回収で生計を立てていたが兄妹は奴隷同然の仕打ちを受けていた。
 彼は育ての親、捨てた親、それと子供時代に唯一優しくしてくれた幼なじみの美佐の両親を死に追いつめた巨大な組織に復讐する。兄は裏の世界に、弟は表の世界で力を付けるべくそれぞれの道を歩んでいく。
 この双子は頭脳明晰で判断力が優れて美男子である。それと、幼なじみの美佐は事故の後遺症で目が見えないが予知能力があるとされ美女である。兄・竜一はヤクザの親分に目をかけてもらっている。キャラクターの設定は白川道らしく、これがまたいい。
 兄は株、相場の世界で金を掴むが時代的にはちょっと古い感じがした。まあ、白川道氏がその世界にいた頃と現在では違うのだろうが、欲にまみれた男女がドロドロと深みにはまって行く様子は”らしさ”があっていい。
 それと、自分がのし上がって行くために相手をはめて殺してしまう主人公というのが強烈。目的の為にここまでするのかと思ってしまうが、果たして次はどんな展開になるのか今から楽しみ。

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