ようやく危機感を持ったダンロップがなりふり構わず出してきたZXiシリーズ

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この秋に発売予定のダンロップのスリクソンブランドですが、今回はちょっと違うと思ったので書いてみました。

国内メーカーの多くがリリース前に新製品のクラブの露出を避けていたのですが、キャロウェイ、テーラーメイド、タイトリストなどがリリースよりもだいぶ前から露出するようになったのを受けて、最近では早めに画像を露出するようになってきました。

また、今回のスリクソンでいえばウッド系を強めに推している感じがします。というのも、前作のZX MK2シリーズはアイアンのZX7とZX5は販売好調でしたが、ウッド系は相変わらず弱かったです。リリース前後では松山プロに使用してもらったりして、プロモーションを頑張っていましたが蓋を開けてみればそれほどではなかったです。

おそらく、今回もZXiシリーズもアイアンは売れると思います。だた、ウッドを売るためにはこれまでと同じではだめなので、思い切った変更が必要になると思っていました。そしたら、今回は今までと違う点がいくつか出てきました。

1.ドライバーのヘッドタイプを4タイプに増やした

前作はZX7、ZX5、ZX5LSの3タイプでした。他社がツアー系、直進系、ドローバイアス系に対し、スリクソンはツアー系、直進系、ロースピン系とどちらかというとアスリート寄りの設定でした。というのも、ダンロップにはXXIOとXXIO Xというドローバイアス系のウッドがあるから被らないようにしていました。しかし、今回はツアー系、直進系、ロースピン系のこれまと同じ3タイプに、大慣性モーメントのドローバイアス系が追加されました。

ヘッドの選択枠を増やしたのはかなり冒険してきたと思います。ヘッドの種類が増えたことでゴルファーにとってもいいことではないかと思っています。

2.フェアーウェイウッドとユーティリティを弾道調整機能付きにした

これまで、スリクソンのフェアーウェイウッドとユーティリティは弾道調整機能が付いていませんでした。というのも、弾道調整機能をつけるとネックに重量がかかるのでヘッド性能を上げるのが難しくなります。しかし、現在売れているピンのG430シリーズのフェアーウェイウッドやユーティリティは弾道調整機能が付いたものです。

設計者が考えるゴルファーにとって使いやすいクラブと、ゴルファーが使いやすいと感じるクラブにはギャップがあります。『性能がいいから売れる』というと、『売れるのは性能がいいから』はイコールではないこともあります。メーカーは売れてなんぼのクラブをつくらないと売り上げが上がりませんからね。

メーカーの開発は、いいクラブを作ったからあとは営業が頑張って売るだけみたいなところがありますが、日本のメーカーの場合は機能優先でプロダクトやプロモーションが残念ながら下手ですからね。

3.MIYAZAKIシャフトをやめてOEMを採用

これは、ZXシリーズからですがZシリーズでは純正シャフトにMIYAZAKIを入れていましたが、ZXシリーズから三菱ケミカルのOEMのDiamanaを採用しています。カタログを見るとMIYAZAKIシャフトは掲載されていないので今後は他メーカーと同じように純正シャフトとアフターマーケットのカスタムシャフトを採用すると思っています。

また、コロナ禍以降のスチールシャフトの供給が悪くなっています。ダンロップはアイアンのスチールシャフトに、独自のDSTシャフトとアフターマーケットのシャフトの2種類を採用しています。ダイナミックゴールドのS200にもDSTがあり、ZX7やZ-FORGEDに装着されています。しかし、このDSTの存在を知らないユーザーも多く(最近ではだいぶ認知されてきましたが)、普通のDG S200だと思って使っている人もいます。DSTはDG S200、モーダス105、NS950neoなどがあります。モーダス120にはDSTはありません。DSTシャフトはカウンターバランスで振りやすいのでいいシャフトですが、もしかしたら今回からやめるかもしれません。DSTシャフトはいいと思いますが、他社に比べるとDG S200、DG X100、NS950neo(S/R)、NS950GH(S/R)、NS850GH(S/R)、NS860GH(S/R)、NS870GH(S/R)、モーダス105(S/R)など種類が多いので在庫問題があります。

同じようにOEMを採用しているタイトリストはNS105T、AMC880、BV105の3種類。ピンはAWT2.0 LITEの標準採用をやめました。テーラーメイドはNS920とNS820の2種類、プロギアはスペックスチール2.0でM43、M40、WEDGE。フォーティーンはTS91w、TS101、TS114の3種類などダンロップに比べると少ないです。

このことからDSTシャフトはXXIOでは残してもスリクソンでは採用しないような気がしています。

ゴルフクラブの売上では海外ブランドが上位を独占して、国内ブランドは低迷しています。国産メーカーもいいクラブを作っているのですが、ユーザーへのうけがいまいちなんですよね。千葉の大きな店舗の人も「国内メーカーは発売して3ヶ月が勝負」と言っていました。3ヶ月を過ぎると賞味期限が切れたようにガクっと売り上げが落ちてしまいます。どのメーカーのクラブもいいだけに性能差がないと人気メーカー、人気モデルが売れてしまうのは仕方がないことなんでしょうね。

だから、ダンロップは人気モデルのZXiアイアンよりも、人気のないZXiのウッドに力を入れてきたと思っています。これで、売れてくれるといいのですが消費者のマインドが変わるまでに時間が掛かるだけに、プロモーションには力を入れてほしいですね。

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