『街角の犬』 鳴海章

BOOK
街角の犬
街角の犬

posted with amazlet on 06.12.25
鳴海 章
講談社

 ガソリンに溶ける新種の覚醒剤・〇八二二。売買組織を追う警察官・宇崎の心を、だれかが組織的に汚していく。堕ちることは、なぜこんなに心地よいのか。正義はどこまで持ちこたえられるか。

 『ニューナンブ』『えれじい』と同じ愛崎署を舞台にした人生堕落小説。生活費ほしさにマンション転売に手を出し、借金取りから追い込みを掛けられ、資金を作るために裏の事に手を出す。と、後戻りが出来ない状態でどうなって行くのかが読んでいて面白い。明るい話ではないが、人間どこで転がり墜ちるかは心の問題というのはよく分かる。内容はヘビーだが文章の構成が上手いので読み応えがあっていい。この先も愛崎署を舞台にした小説が出てくることを楽しみにしている。