「おまえさ、秘密ある?」住宅設備機器メーカーに入社して福岡支社に配属された同期の太っちゃんと女性総合職の私。深い信頼と友情が育っていく。そして太っちゃんの死。太っちゃんとの約束を果たすべく彼の部屋にしのびこむ。選考委員会で高い評価を得た第134回芥川賞受賞作。他1篇併録。
う~ん、リアルで面白いというのが正直な感想。芥川賞というと取っつきにくい印象があったけど、いやはやこの本は面白い。受賞作の「沖で待つ」よりも一緒に収められている「勤労感謝の日」がいい。出戻りの女性がお世話になっている近所のおばちゃんに見合いを持ちかけられ、断れずに見合いをするけどその相手が最低。まあ、これだけリアルにずぼらな男性を描いているもの面白いけど、見合いを途中で抜け出し昔の仕事場の後輩を呼び出し愚痴三昧。家に帰れずに途中の居酒屋でくだを巻く。人間味があって凄くよかった。
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