この作品は探偵畝原シリーズの6番目の作品。今回の依頼は詐欺氏に騙されそうになっている父親を何とか目を覚まさせて欲しいという息子からの依頼と夫の不振な行動を調査して欲しいという挙動不審の妻からの依頼。そして、キャバクラ嬢コンテストの為の上位4名の身辺調査の3つ。
それぞれの依頼内容からの絡みはあるようなないような。で、畝原が休みがないように微妙な時間差でいろんな事が起きる。登場人物と言えば畝原に探偵の手ほどきをした横山、その息子の貴。下半身不随になった元刑事の玉木、SBCの祖辺嶋などなどいつものメンバーと畝原の家族。
今回はキャバクラ嬢のインタビューから札幌の風俗事情が垣間見えて面白かった。東京でキャバクラと言えば綺麗な?女の子がドレスを着て接待してくれるところだけど、北海道ではキャバクラ=ピンサロで、東京風のキャバクラのことをニュークラブというとか。この辺は気になるのでネットで調べてみるとキャバクラ・ニュークラブ・ピンサロの区分けは曖昧な感じですね。これは実際に行って体験しないと分からないかも。
と話がそれたが、ネット上ではあまり今回の作品はウケが良くない感じがあるけど、僕は落ち着いた文章と世相を東直己流に突いているのがいいと思う。じっくりと楽しめる作品なので読んでみたいと思うひとはシリーズ最初の『渇き』から読むことをお奨めする。
1、渇き
2、流れる砂
3、悲鳴
4、熾火
5、墜落
東直己の作品
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