竜崎伸也は、警察官僚である。現在は警察庁長官官房でマスコミ対策を担っている。その朴念仁ぶりに、周囲は”変人”という称号を与えた。だが彼はこう考えていた。エリートは、国家を守るため、身を捧げるべきだ。私はそれに従って生きているにすぎない、と。組織を揺るがす連続殺人事件に、竜崎は真正面から対決してゆく。警察小説の歴史を変えた、吉川英治文学新人賞受賞作。
主人公は格好良くも狡くも魅力もない。東大出身のエリートで何事も原則原理に基づいて行動する。最初は主人公の堅物ぶりに辟易したけど、とにかく何事も冷静に対処するので最後は彼に行動が警察を救うことに。キャラクター設定がいいのと、文章の歯切れがいいので一気に読み終わってしまった。
コメント