『流転の海』 宮本輝

 『流転の海』は宮本輝の自伝的小説で父をモデルに書かれた大河小説である。この作品はシリーズ化して現在は第5部の『花の回廊』まで出版されている。僕は第三部の『血脈の火』が出版されたときに最初から読み、第四部の『天の夜曲』が出版されたときにも最初から読んだ。今回が3度目になるが何度読んでもこの小説は面白い。
 松坂熊吾という人物は戦後の混乱なの中で強く、激しく、そして優しく生きた。年の離れた妻・房江との間に長男・信仁が誕生したのは熊吾が50歳になったとき。事業を興しては投げだし、仲間には裏切られと波瀾万丈の人生を送っているが、どこか底抜けに明るい主人公。時代背景は戦後の動乱だが、今の時代に忘れ去られたことを思い出させてくれる。この本は、1行1行を大事に読んでみたくなる小説ですね。

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