『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞を受賞した。その続編と言うこともあるのか、相当気合いの入った作品だった。台湾で殺し屋として暗躍した毒猿が、雇い主の台湾マフィアのボスに裏切られた。その復讐として組織を壊滅させたがそのボスが日本に隠れているをつかんで密入国。ボスをかくまった新宿に拠点をおく暴力団組織も壊滅していく。
殺戮の舞台は新宿御苑の台湾閣。最初に本書を読んだときは巻頭についているイラストをみて自分なりにイメージしたが、ここ数年はなんども新宿御苑に足を運んでいるので格闘した場所がよく分かる。また、風林会館、市役所なと歌舞伎町にある地名も以前よりはよく分かるので自分なりに鮫島の足取りを追いかけられるのは読んでいて面白い。
エンターテインメントという意味では前作を上回っているが、このあとの新宿鮫シリーズと比べるとちょっと異質のような感じがした。
【登場人物】
鮫島 通称「新宿鮫」、新宿署防犯課、警部
桃井 鮫島の上司、新宿署防犯課、警部
藪 新宿署の鑑識係員
荒木 国際捜査課、警視
晶 鮫島の恋人、ロックバンド「フーズ・ハニイ」のボーカル
郭栄民 台湾警察、警部補
劉鎮生 毒猿
田口奈美
石和 石和組、組長
羽太 石和組、幹部
高河 石和組、幹部
葉威 台湾マフィア、四海のボス
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