MetaのMuseを使ってみた。できることと、まだできないこと

MetaのMuseを使ってみた サムネイル AI

普段、僕はCodexやClaude Codeをメインに使っています。実装や修正を頼む相手としては、この2つが中心です。

そこへ、MetaのMuseが出てきたので使ってみました。

正直、最初は「またチャットAIが1つ増えただけかな」と思っていました。ところが、実際に使ってみると、かなり面白いです。面白さの中心は、モデルの賢さというより、仕組みの方でした。

Museには、ユーザー1人ごとに専用のパソコン(おそらくMeta内に領域が確保)が用意されています。会話が終わっても、そのパソコンと記憶は残ります。つまり、毎回ゼロから説明する相手ではなく、自分の作業場所を持った相手に頼む形になります。

そこで今回も、知りたいことを1つずつ本人に聞き、実際に試してもらいました。僕がやりたかったのは、難しい話ではなく、「今の時点で、自分の使い方では何ができるのか」です。

答えるAIというより、作業場所を持った相棒に近い。

僕の感想は、だいたいここに集約されます。

まず、パソコンで使えるようにした

僕のパソコンはWindowsで、スマホはiPhoneです。

最初にやったのは、Museをパソコンで使えるようにすることでした。結論は簡単で、ブラウザで muse.ai を開き、iPhoneのアプリと同じアカウントでログインすればよい、というものでした。

アカウントが違うと、別のMuseになってしまい、この会話は見えません。ここは大事ですね。

  • Windows:専用アプリはなく、Web版(muse.ai)を使う
  • Mac:専用アプリがあり、ダウンロードして使える
  • iPhone/Android:専用アプリがある

Windowsでも、ブラウザの機能でショートカットを作れば、アプリのようにワンクリックで開けます。これで、スマホで始めた話の続きをパソコンでそのまま続けられるようになりました。

メインチャットとサイドチャットは、こう使い分ける

Museのチャットには、メインチャットとサイドチャット(サブチャット)があります。

メインチャットは、何でも相談する司令塔です。毎日のちょっとした質問や思いつきは、まずここでよいと思います。

サイドチャットは、テーマごとの作業部屋です。話が大きくなりそうなもの、後で見返したいものを分ける場所ですね。

しかも、メインチャットで思いついたことは引き継げます。メインチャットで「この話をサイドチャットにして」と頼めば、それまでの流れを引き継いだ部屋を作れます。

  • 思いつきや日常の相談はメイン
  • レースごとの記事のように、資料がたまる作業はサイド
  • 大事な約束事は、どの部屋でも記憶として共有される

会話の中身は部屋ごとに別々でも、覚えておくべきことは覚えていてくれる。この分け方が、長く使うには大事な気がします。

CodexやClaude Code、Geminiは動かせるのか

僕がいちばん気になったのは、ここです。

メインで使っているCodexやClaude Codeを、Museから呼び出せるのか。実際にMuseの作業パソコンの中を確認してもらいました。

ツール 確認した状態
Codex CLI すでにインストールされていた。ただし未ログインで、使うには自分のOpenAI/ChatGPTアカウントかAPIキーが必要
Claude Code 未インストール。ただしNode.jsが使えるので、インストールは可能。AnthropicのアカウントかAPIキーが別途必要
Gemini CLI 未インストール。こちらもインストールは可能で、GoogleのアカウントかAPIキーが別途必要

呼び出し方も、チャット画面を操作するのではなく、コマンドでタスクを渡し、結果や差分をMuseが確認する形が確実だそうです。Museが監督で、各CLIが専門の作業員、というイメージですね。

では、CLIを使わずに動かせるのか。こちらも聞きました。

方法は2つあります。1つはブラウザで各サービスのWeb版を操作すること。もう1つは、APIで直接つなぐことです。

ただし、APIでつなぐ場合に動くのは、正確にはCodexやClaude Codeという製品そのものではなく、その中身のモデルです。ファイル編集や実行を繰り返す仕組みは、Muse側が担います。結果としてやれることは近くても、同じものではありません。

それから、料金も別です。チャットサービスの有料プランとAPI料金は、基本的には別払いになります。「契約しているから全部使える」わけではないところは、気をつけたいですね。

実際に競馬ブログの記事を作ってもらった

口で説明を聞くだけでは分からないので、実際に仕事を頼んでもいました。

天皇賞・秋の記事では、出走馬全17頭の調教を調べてもらい、記事の下書き、サムネイル、X投稿用のインフォグラフィックまで作ってもらいました。公開したのは僕自身です。

ここで大事だったのは、自動で公開しないことでした。下書きを作り、僕が確認して、直すところは直してから公開する。この順番なら、AIの間違いをそのまま世に出すことにはなりません。

ちなみに、調教データの確認をしたところミスなく抽出していました。はっきり言って、ここまで出来るとは思っていなかったので驚きましたね。

その記事の保存先についても聞きました。

  • 正式な投稿は、自分のWordPressに保存される。これが正本
  • 作る過程の下書きファイルは、Museの作業場所にも残る
  • 作業場所のファイルに自動で消える期限はない。削除するか、リセットしたときに消える
  • ゴミ箱に入れたファイルは、だいたい30日間は復元できる

ちなみに天皇賞の作業フォルダは、全部で2.2MBほどでした。記事原稿なんて17〜33KBです。容量を気にする量ではありません。

ただし、Museの作業パソコンのディスクが約150GB空いて見えても、それが公式に保証された1人あたりの容量というわけではないそうです。長期保存の正本は、やはり自分のWordPressや自分のパソコンに置く。ここは分けて考えた方がよいと思います。

アプリは作れるのか

アプリ作りについても聞きました。結論は、種類によって得意・不得意がはっきりしています。

種類 できる範囲
Webアプリ いちばん得意。そのまま使える形で作って渡せる。データを保存するタイプも作れる
iPhoneアプリ コードは書ける。ただし、ビルドにはMacとXcodeが必須で、Museの作業パソコン(Linux)では完結しない
Windowsアプリ コードや試作品は作れる。ただし、最終確認やインストールは自分のWindowsパソコン側で必要

今すぐ作って今すぐ使いたいならWebアプリ。インストールする形にこだわるなら、コードはMuseが書き、ビルドは自分の環境で、という分担になります。

先日のPHPの脆弱性の記事でも書きましたが、個人でもアプリを作れる時代になった分、作った後の保守まで考えないといけません。この分担の話は、そのまま保守の話にもつながりますね。

自分のWindowsパソコンは操作できるのか

ここがいちばん残念なところでした。

Macなら、専用アプリでペアリングすれば、アプリやウィンドウ、ファイル、画面などをMuseが操作できます。ところが、Windows版のアプリがありません。Web版でログインしただけでは、パソコンを操作する権限は付きませんでした。

試しにiPhoneとパソコンをBluetoothで接続してみました。でも、Museから見えるデバイスはiPhoneのまま変わりませんでした。BluetoothはiPhoneとパソコンだけの接続で、Museはその間に入れないのだそうです。なるほど、そういうものか、という感じですね。

  • Windowsの画面を直接操作する:今はできない
  • Tailscaleという仕組みでネットワーク接続し、SSHなどを有効にすれば、コマンドでの操作は部分的に可能(実験的な機能)
  • スクリプトを作ってもらい、自分で実行する形なら今でもできる

無理に裏道を組むより、Windows版アプリが出るまで待つ方がよさそうだ、という結論になりました。出るかどうか、いつになるかは分かりません。その要望は、Museチームへフィードバックとして送ってもらいました。

悲観もしない。楽観もしない。観察する。

ロボタクシーの記事で書いた姿勢は、ここでも同じだと思います。

使いこなすとは、任せ方を決めることかもしれない

今回、ひと通り聞いて、試してみて思ったのは、Museの面白さは「何でもやってくれること」ではない、ということです。

自分の作業場所と記憶を持ち、調べ、作り、確認し、次回も続きから始められる。その一方で、できないこともはっきりしています。Windowsパソコンの操作はできない。APIの料金は別。公開の判断は自分がする。

できることとできないことが分かれば、任せ方が決められます。

調査や下書きは任せる。数字や事実は確認してもらう。ただし、公開や実行の最後の判断は自分がする。PHPの記事で書いた「使いこなすとは、任せ方を決めること」は、Museでもまったく同じでした。

普段はCodexやClaude Codeがメインです。それはこれからも変わらないと思います。ただ、調べ物をして、記事にして、ファイルとして残し、スマホとパソコンを行き来しながら続ける作業では、Museのような「場所を持った相棒」にも出番がありそうです。

分からないから使わないのではなく、できる範囲を1つずつ確認して、自分の作業に合うところから使う。これが今の僕の結論です。

参考

※2026年10月30日時点で、実際にMuseに聞き、試した範囲を個人的に整理した記事です。機能や対応状況は変わる可能性があります。Windows版アプリの予定については、確認できた公開情報はありません。

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