『いっしん虎徹』 山本 兼一

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 これまで時代小説は何冊も読んできたが今回の『いっしん虎徹』に描かれている刀鍛冶を題材にした物語は初めて。主人公は実在する長曽祢興里。江戸初期の名刀鍛冶で現在もその名刀が残されている。時代物は書き手によって面白みが違うので、僕の場合は嵌るとその人の作品は全て読みたくなる。逆に最初に合わないとそれ以降はほとんど読まない。山本兼一氏の作品は初めて読んだが文章が力んでいるけど面白い。刀が出来るまでの行程を細かく書かれているが、鉄を熱して叩いて折って、叩いて折って。鍛えて鍛えてととにかく力が入る文章である。火がないのに文章を読んでいるだけで熱くなってしまった。

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