シャフトを選ぶときに基準にするのはフレックスとキックポイントだけでいいのか?

Golf
スポンサーリンク

シャフトのフレックス(硬さ)の表記は「R、SR、S、X」や「L、A、R」などがあります。しかし、このフレックスには明確な基準(数値)はなく、あくまでも目安だけです。

RよりもSRの硬く、SRよりもSは硬く、SよりもXは硬いです。しかし、これは同一ブランドだけの話で、ブランドやメーカーが違うと同じような比較はできません。

例えば、XXIO 13の純正シャフトMP1300のフレックスSと、Qi10の純正シャフトDiamana BLUE TM50のフレックスSは同じフレックスSでも重量もトルクも振動数も違います。下の表はXXIO13とQi10の純正シャフトのスペックです。これを見ると、MP1300のフレックスSはシャフト重量が41g、トルクが6.4、振動数は221でした。Qi10のフレックスSは重量が58g、トルクが4.3、振動数が249でした。また、XXIO13のフレックスSよりもQi10のフレックスRの方が硬いのが分かります。

このようにフレックス表示は同一ブランドでの比較であって、ブランドやメーカーが違うとスペックの内容が違ってきます。

シャフトのスペック(数値で表せるもの)で分かるのは重量とトルクだけです。フレックスはあくまでも目安と考えたほうがいいです。

 

 

VENTUSとSPEEDER NX

現在、フジクラコンポジットにはSPEEDER NXシリーズとVENTUSシリーズの2つのブランドが新商品として発売されています。この2つのブランドはプロの使用率も高く人気があります。

下の表は60gのフレックスSのスペックを並べてみました。これを見ると、SPEEDER NXよりもVENTUSの方が硬めに作られているのが分かります。また、フジクラコンポジットが出しているマトリックス図をみてもVENTUSの方が低スピン、低弾道のポジションにあるのが分かります。

ただし、このポジショニングマップも重量やフレックスによってポジションは変わってくると思うのであくまでも参考程度ということで。

 

 

出典元:フジクラコンポジット

 

DiamanaとTENSEI

三菱ケミカルもfujikuraコンポジット同じようにDiamanaシリーズとTENSEIシリーズの2ブランド戦略です。Diamanaが最新のBBが第6世代になります。最近のDiamanaはキックポイントが中元が多く違いが分かりにくいですね。TENSEI PRO 1KシリーズはBLUEが中、WHITEが元、REDが先中と昔のDiamanaのように色でキックポイントが違っています。

三菱ケミカルが出している剛性分布を見るとDiamana WBは元系ですが、先端剛性は柔らかくなってるのが分かります。これは、ダンロップのIFCで見ても先端が柔らかく出ています。WBと言えば白マナ系というイメージがあり「先端は硬い」という認識でしたがどうやら違っていたようです。メーカーもすべてのシャフトでスペックと同様に剛性分布を出してくれるといいのにね。

この剛性分布も重量やフレックスによって違うと思うのであくまでも参考程度ということで。

 

 

出典元:三菱ケミカル

 

TOUR AD

グラファイトデザインはメインがツアーADシリーズの1ブランドです。昨年はVFをタイガー・ウッズが使用したことでブレイクしました。今年はキックポイントがど真ん中のGCを発売しました。

グラファイトデザインのシャフトは8割が中調子です。一番下の剛性分布に出ているシャフトはすべて中調子です。ただし、剛性分布のとおりキックポイントも剛性もそれぞれが違ってきます。UBやDIやGPは先端剛性が硬めの中調子、逆にMJやDJやVRなどは先端が柔らかめの中調子です。

キックポイントの表記も数値ではないので、あくまでも目安です。

 

出典元:グラファイトデザイン

 

出典元:グラファイトデザイン

 

シャフト選びは難しいが

こうやって書いてみると「どうやって自分に合っているシャフトを選べばいいの?」と思ってしまう人が少なくないと思います。フレックスやキックポイントは目安であって、比較するのが難しいです。シャフトの硬さをメーカーが数値で表しているのはトルクだけです。振動数は出していないので、分かりません。私は、試打シャフトを計測していますがこれも1本だけだったり多くて3本ぐらいです。ですから、私が出している振動数も参考程度にしたほうがいいです。

目安にしてもいいのがダンロップが出しているIFC(インターナショナルフレックスコード)ぐらいです。これは、先端から6インチ、16インチ、26インチ、36インチの場所を計測して1~9の数値で表しています。

ダンロップ専用のシャフトフィッティングアプリ「DIW」を使うとスウィングに合ったIFCを導き出して推奨シャフトを表示してくれます。完全にハマることもあればちょっと違うということもありますが、ひとつの目安になることは間違いないです。

この、DIWの結果と振動数とこれまでの経験で培った知識を使うと結構な確率でその人にあったシャフトを見つけることが出来ました。

シャフトの性能については分からないことが多いだけに難しく、スウィングに一番影響を及ぼすのもシャフトなので、シャフトのことをどれだけ知ることが出来るかが今後の課題だと思っています。

コメント