ダンロップの14代目ゴルフクラブ「ゼクシオ14」(2025年11月22日発売)は、歴代最大のビッグチェンジを遂げる新モデルです。特にドライバーにおいては、フェース材の革新と初の調整機能導入が大きなポイントです。以下、新素材「VR-チタン」による飛距離進化、XXIO初の可変スリーブ「QTS」の詳細、ヘッドデザインの変更点、プロやユーザーからの評価、価格帯・発売情報について整理します。
新素材「VR-チタン」と「ULTiFLEX」による飛距離進化
飛距離の殻を破る新素材:VR-チタン – ゼクシオ14ドライバーは、世界初採用の新素材「VR-チタン」をフェースに採用しています。このチタン合金は、従来のチタンにシリコン(Si)を加えた新配合により、強度が42%向上した高強度・高靭性材とされています。メーカー公式データによれば、新素材によりフェースの肉薄化が可能になり、13代目(ゼクシオX)と比べ飛距離の上限を物理的に突破することができました。
高初速を実現する「ULTiFLEX」ボディ設計 – 強度が高まったフェースはそのままではインパクト時のたわみ量が減り、安定性が損なわれる恐れがあります。そこでゼクシオ14では、フェースとクラウンのエッジ周辺を高剛性に保ちつつその後方を薄肉化した「ULTiFLEX」ボディを採用しました。この設計により、インパクト時にヘッド全体を戦略的にたわませ、フェースが生み出す反発エネルギーをヘッド全体で受け止めて増幅しボールに伝える仕組みとなっています。ULTiFLEXの効果は、高初速エリアの大幅な拡大として表れています。
メーカーの公式データでは、「一撃の飛びゾーン(COR値0.82)」が前作比で183%に拡大したとされています。つまり、高い初速が得られる打ち方の範囲が従来の約2倍に広がったのです。
このように、VR-チタンによるフェースの薄肉化とULTiFLEXによるヘッド全体のたわみ設計が相まって、ゼクシオ史上最大の初速性能を実現しています。
実際、ゼクシオ14は従来モデルと比較して飛距離が約3ヤード(約2.7メートル)向上したとされています。これは単発の飛距離アップとしては大きな進歩であり、飛距離性能を大幅に強化した点が「ゼクシオ14」の最大の魅力と言われています。
XXIO初の可変スリーブ「QTS」と調整機能
シリーズ初の可変スリーブ搭載 – ゼクシオ14ドライバーは、XXIOシリーズ初となる可変スリーブ式ネック(カチャカチャ)を採用しています。この新システムはスリクソンシリーズやXXIO eksなどに採用している「クイックチューンシステム(QTS)」で、ヘッドとシャフトを脱着可能にしてフェース角、ライ角、ロフト角を12通りに調整できる機能です。調整の際は専用トルクレンチを用いてスリーブを回すことで、フェースの向きやヘッドの角度を微調整できます。12通りのポジションから最適な弾道に設定できるため、個々のゴルファーの好みや打ち方に合わせてチューニングが可能です。
QTS搭載により、ゼクシオ14は従来以上に自分仕様にアジャストできる柔軟性を獲得しました。実際、ゼクシオシリーズではこれまでカスタムシャフト対応を行わないという強気のコンセプトがありましたが、QTSを導入することでカスタムシャフト対応を不要にしつつも調整機能を備えることに成功しました。また、スリーブ式ネックを採用したことで、約2gの軽量化を実現した点も特徴です。従来の接着式ネック構造では重量増加を避けられなかった調整機能ですが、ゼクシオ14ではショートホーゼルを採用し軽量化した結果、QTSの搭載が可能となりました。軽量化により重心設計の自由度が保たれ、さらにフィッターによるアドバイスに合わせて弾道調整が可能となっています。
なお、QTSスリーブは従来のゼクシオモデル(ゼクシオX)とも互換性があります。
ヘッドデザインの変更点と安定性向上
フェース面の大きな変更 – ゼクシオ14のヘッドは、従来からの丸みを帯びた形状からシャフトより前にフェースが出るようなデザインに変わりました。特にヒール側のボリュームが強調され、ヘッド全体がより丸型になった印象です。この変更により、ヒールヒット時のバランスが良くなり、ミスショットでもたくさんの飛距離を維持できるようになっています。実際、プロゴルファーの試打レポートでは「ヒールヒットでもつかまる」という驚きの寛容性が報告されており、スライスをしがちなゴルファーにも安心感を与える設計となっています。
新エアロダイナミクス「New ActivWing」 – ゼクシオ14では、13代目に搭載された空力技術「ActivWing」がさらに進化しました。クラウン側の突起だけでなく、ソール側にも段差を設けた「New ActivWing」として登場しています。この新エアロダイナミクスにより、ダウンスイング前半の遠心力によるヘッドのブレを抑制し、安定したインパクトを実現します。実際、従来モデルに比べてショットの安定性が高められ、ミスショット時の飛距離や方向の狂いが少なくなったとの評価があります。これは、飛距離を重視した最新モデルとしても安定性を損なわないよう工夫された点です。
プロ評価とコミュニティの反響
プロ選手による評価 – ゼクシオ14のドライバーは、日本代表の松山英樹選手や女子プロの菅沼菜々選手、青木瀬令奈選手らが試打して高い評価をしています。プロのアスリートである松山英樹は「打感が良く、飛びも伸びもしっかり出ている」と述べており、初速の速さと打感の良さを讃えています。女子プロの菅沼菜々は「初速が上がったことで、フェアウェイからグリーンまでの距離が伸びた」と語り、飛距離の向上に満足しています。また、女子プロの青木瀬令奈も「初速が凄い」と驚きを隠せず、ゼクシオ14の飛距離性能に感嘆しています。こうしたプロの声は、「飛ぶゼクシオ」という新コンセプトが飛距離の面でも従来以上に実現したことを示唆しています。
アマチュアゴルファーの反響 – ゼクシオ14のドライバーは、一般のゴルフファーからも好評を博しています。口コミでは「飛距離が伸びた」「安定して飛ぶ」「ミスショットでもたくさん出る」「初速が上がっているのに調整も可能で安心」といった声が多く見られます。特にゼクシオの定番ユーザーからは「昔のゼクシオの優しさはそのままだが、飛距離が飛躍的に伸びた」「シャフトを変えればスピン量も調整でき、自分の好みに合わせられる」といった評価が寄せられています。ゼクシオシリーズは従来から「やさしい打感」「飛距離が出やすい」というイメージが強かったため、この14代目ではその優れたやさしさを維持しつつ飛距離を強化した点が評価されています。また、フィッターによる評価も高く、「飛距離性能が飛躍的に進化している」という意見が多く、ユーザーの期待を裏切らない新品であるとの評価が得られています。
総合的な評価 – ゼクシオ14ドライバーは、「飛距離」「安定性」「調整性」の3つの観点で評価されています。飛距離面では過去最高の初速性能を達成し、プロも驚きを隠せないほどの飛距離が出るとの声があります。安定性面ではミスショット時の飛距離低下が抑えられ、「飛ぶゼクシオ」という名に相応しい安定した飛びを実現しています。調整性面ではQTS搭載により自分の打ち方に合わせて微調整できる柔軟性を持ち、カスタムシャフト対応を不要にしつつも自由度が高い設計となっています。総合的に、「やさしさと飛距離の両立」がさらに進化した14代目として、ゼクシオシリーズの魅力を高めていると言えるでしょう。
価格帯と発売情報
価格帯 – ゼクシオ14ドライバーは、メーカー希望小売価格(税込)が101,200円となっています。従来のゼクシオXと同じ価格帯で、新品としては比較的手頃な価格設定です。ゼクシオシリーズは長年、コストパフォーマンスの高さで支持されてきましたが、14代目でも高機能な新技術を搭載しつつ価格を抑えたポジションで投入されています。
発売情報 – ゼクシオ14シリーズは、2025年11月22日をもって日本国内で正式に発売されます。先行して一部の店舗では試打イベントが開催され、ユーザーからの反響が集まっています。
おわりに
ダンロップ ゼクシオ14ドライバーは、新素材と新構造による飛距離性能の飛躍と、初の調整機能導入による柔軟性を両立させた歴史的なモデルと言えます。フェース材の革新により「飛距離の殻を破る」という目標を達成しつつ、ヘッド全体の設計を最適化して安定した飛びを実現しています。さらにQTSにより自分仕様に合わせたチューニングが可能となり、ゼクシオの強みである「やさしさ」と新しい「飛び」を両立させています。プロからユーザーまで高い評価を得ており、25周年を迎えたゼクシオがさらなる成長を遂げている点は注目に値します。今後、ゼクシオ14シリーズが実戦でどれだけ活躍するか、ゴルフファーの間で注目が集まっています。

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