昨年、ゴルフ業界の「2025年問題」について書きました。
団塊の世代が75歳以上になり、ゴルフ場に通う人が一気に減るのではないか、という話です。特に地方のゴルフ場では、平日の来場者を支えているのがシニア層なので、ここが抜けるとかなり厳しくなるという内容でした。
では、実際に2026年になってどうなったのか。
今のところ、いきなりゴルフ場がガラガラになるようなことは起きていないようです。75歳になったからといって、すぐにゴルフをやめる人ばかりではないですね。実際、ゴルフ場に行っても70代で元気にプレーしている人は普通にいますし、80代でも回っている人も見ます。
なので、2025年問題は「2025年に突然くる崖」ではなく、「2026年以降にじわじわ効いてくる問題」と見たほうがいいと思います。
2025年は思ったほど急落しなかった
日本ゴルフ場経営者協会のデータを見ると、2025年12月度の全国ゴルフ場利用者数は前年同月比で2.0%減の698万1000人でした。ただし、コロナ前の2019年12月と比べると2.0%増となっていて、まだ高い水準は保っています。
また、2025年11月度は前年同月比で3.4%増の861万3000人でした。2019年11月と比べても5.8%増です。この数字だけを見ると、「2025年問題で一気に利用者が減った」とは言えないですね。
ただし、気になるのは70歳以上の利用者です。2024年の年間データでは、70歳以上の利用者数は2004万人で、前年の2074万人から減っています。全体に占める割合も22.9%です。
つまり、全体の来場者数はまだ持ちこたえているけれど、高齢者層はそろそろ頭打ちになってきた、という見方が自然だと思います。
2026年に出てくるのは「急減」より「偏り」
2026年に問題になるのは、ゴルフ人口が一気に消えることではなく、来場者の偏りだと思います。
平日はシニア層。土日は現役世代や若い人。この構図は、しばらく続くでしょうね。
シニア層は平日に来てくれるので、ゴルフ場にとってはかなり大事です。料金が安い平日でも、安定して来場してくれる人がいるから、コースを維持できます。ただ、そのシニア層が80歳前後になってくると、体力、免許返納、病気、同伴者の減少などで、少しずつ回数が減っていきます。
ここが2026年以降のポイントです。75歳で急にやめるのではなく、78歳、80歳、82歳あたりで少しずつ減っていく。そう考えると、本当に厳しくなるのは2026年よりも、2030年前後かもしれません。
若い人は増えているが、平日は埋めにくい
一方で、若いゴルファーがいないわけではありません。土日のゴルフ場を見ると、30代、40代の人はかなり増えた感じがあります。女性ゴルファーも以前より目立ちますし、カップルや友人同士で来ている人も多いですね。SNSやYouTubeの影響も大きいと思います。昔のように会社の付き合いで始めるというより、自分で興味を持って始める人が増えています。
ただ、問題は平日です。若い人や現役世代は、基本的に平日は仕事があります。土日は高くても来てくれるかもしれませんが、平日の空きを埋めるのは難しいです。ゴルフ場にとって本当に大事なのは、土日だけでなく平日をどう埋めるかです。ここが埋まらないと、維持費の重いゴルフ場は苦しくなります。
地方のゴルフ場は差が出そう
2026年は、地域差も大きくなると思います。
都市部に近いゴルフ場や、アクセスのいいゴルフ場は、まだ若い人や女性、ビジターを取り込めます。インバウンドやゴルフツーリズムの可能性もあります。でも、地方でアクセスが悪く、地元のシニア会員に頼ってきたゴルフ場は厳しいですね。
免許返納が進むと、車でしか行けないゴルフ場はかなり影響を受けます。ゴルフは健康にいいスポーツですが、ゴルフ場まで行けなければ続けられません。送迎バス、乗り合い、地域交通との連携などができるかどうかで、シニア層の残り方は変わると思います。
料金も難しいところ
もうひとつ気になるのは料金です。
ゴルフ場は、人件費、光熱費、肥料、農薬、機械、食材など、いろいろなコストが上がっています。だから値上げしたい。でも、若い人は価格に敏感ですし、シニア層も年金生活になるとプレー代の値上げは効きます。
値上げしないと維持できない。でも値上げすると来場回数が減る。このバランスが難しいですね。特に平日は、安くしてでも来てもらいたいゴルフ場と、コストを考えると安売りできないゴルフ場で、判断が分かれると思います。
2026年は「次の5年」を見る年
私の感覚では、2026年はゴルフ業界にとって、いきなり答えが出る年ではないと思います。
むしろ、2025年問題が本当にどう効いてくるのかを見始める年ですね。見るポイントはこのあたりです。
・70歳以上の来場者がどれぐらい減るか
・平日の予約が維持できるか
・若い人が土日だけでなく継続してくれるか
・女性ゴルファーが定着するか
・地方ゴルフ場が交通手段を作れるか
・インドアゴルフからコースへ流れる人が増えるか
・猛暑や天候不順で夏場の来場がどうなるか
特に猛暑は大きいです。高齢者にとって夏のゴルフは危険ですし、若い人でも真夏のラウンドは敬遠する人が増えるかもしれません。ナイター、早朝スルー、9ホール、ハーフプレーなどは、今後もっと重要になるでしょうね。
2025年問題は終わったのではなく、形を変えた
2025年問題は、思ったほど急には来ませんでした。ただ、それで安心していいわけではないです。団塊の世代がまだ元気にゴルフをしているから、今は支えられているだけとも言えます。問題は、その人たちが本格的に回数を減らし始めるこれからです。
2026年は、「2025年問題は大丈夫だった」と見るより、「2030年に向けて準備する時間が少し残った」と見たほうがいいと思います。若い人、女性、シニア、インバウンド、地域住民。どの層をどう取り込むのか。平日をどう埋めるのか。車がなくても来られるようにするのか。
暑い夏でも安全にプレーできる形を作れるのか。
このあたりができるゴルフ場と、昔のままのゴルフ場で差が出てくるでしょうね。
ゴルフは、まだまだ面白いスポーツです。でも、ゴルフ場の使われ方は変わっていくと思います。2026年は、その変化が少しずつ数字に出始める年になるのではないでしょうか。
参考
ゴルフ業界における「2025年問題」と今後の展望
日本ゴルフ場経営者協会 News
ゴルフのニュース「2025年問題」の次は「2030年問題」!?

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