司馬遼太郎はどこから読む?『燃えよ剣』『竜馬がゆく』『坂の上の雲』の選び方

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司馬遼太郎の作品を並べてみると、名前を知っている本は多いのに、どれから手をつけるかで迷いう人が多いと思います。作品一覧を順番に埋めていくのもいいですが、長編ばかりを前にすると、読み始めるまでに少し気合いが要りますね。

今回は『燃えよ剣』『竜馬がゆく』『坂の上の雲』の3作を、出版社の紹介と書誌情報から比べてみました。読了した感想や面白さの順位ではなく、今、どんな人物や時代を読みたいかを考えるためのメモです。

土方歳三に絞って入るなら『燃えよ剣』

『燃えよ剣』は、土方歳三と新選組を軸にした幕末の長編です。新潮社の紹介では、剣の強さだけでなく、寄せ集めだった集団を組織にしていく土方の姿が示されています。

幕末という大きな時代を一度に覚えようとするより、まず土方がどんな場面でどう判断するのかに目を向ける。人物から物語に入るなら、こういう選び方ができそうです。

新潮文庫では上下巻です。ただし、上巻だけでも592ページあるので、「2冊だからすぐ読める」とは思わないほうがよさそう。ただ、読み始めると止まらなくなり終わりが近づくと寂しくなります。

出典元:新潮社 『燃えよ剣〔上〕』

幕末の人のつながりを追うなら『竜馬がゆく』

『竜馬がゆく』は、坂本竜馬の生涯を、多くの人物との関わりとともに描く作品です。文藝春秋の紹介も、竜馬一人の伝記というより、動乱期の青春群像として案内しています。

同じ幕末でも、新選組を入り口にするのと、竜馬を入り口にするのでは、気になる人物や出来事も変わりそうです。新選組より薩摩や長州とのつながりが気になるなら、こちらを先に手に取る理由になります。

文春文庫では全8巻。初めから全巻を揃えなくても、第1巻の冒頭を読んで、文章の調子が自分に合うかを確かめればいいと思います。最初は面白くないと感じるかもしれませんが竜馬が江戸に出てくるあたりから一気読みになると思います。

出典元:文藝春秋 『竜馬がゆく 一』

明治という時代まで見たいなら『坂の上の雲』

『坂の上の雲』は、松山出身の秋山好古・真之兄弟と正岡子規を中心に、明治の日本を描く長編です。軍人と文学者の人生が同じ作品に置かれているところが、入り口を考えるうえでも気になります。

幕末の政争よりも、その後の日本がどこへ向かっていったのかに関心があるなら、この作品からでもよさそうです。『竜馬がゆく』を先に読まないと理解できない、という続き物ではありません。

文春文庫では全8巻ですが、版や判型が違うと冊数やページ数も違います。古本を含めて揃える場合は、書名だけでなく出版社と版も合わせたいところです。

出典元:文藝春秋 『坂の上の雲 一』文春文庫

読む順番より、気になる人物を一人

3作を時代で並べるなら、幕末の『燃えよ剣』『竜馬がゆく』、明治の『坂の上の雲』になります。ただ、歴史の勉強の順番に読書を合わせなくてもいいと思います。

土方歳三、坂本竜馬、秋山兄弟、正岡子規。名前の中で一人でも気になる人がいれば、そこから始める。作品紹介を読む段階では、結末まで細かく調べすぎず、人物と時代だけを押さえるぐらいでも十分ではないでしょうか。

それと、歴史小説は史実そのものではなく、作者の解釈や構成を通して読むものです。気になった出来事をあとから史料や研究書で確かめると、小説とは別の面白さにもつながりそうですね。

作品を広く探す場合は、以前の司馬遼太郎の作品一覧の記事も入り口にどうぞ。まずは一冊、いまの自分が読みたいところからでいいと思います。

 

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