続編の新刊が出たので再読してみたが、やっぱり面白い。主人公・惟朔は父親から高等教育を受け、年上の女性から性教育を受けたおかげで年齢以上のしたたかさを身につけて世に出てくる。花村萬月氏の自伝的小説ということだが、これまで書いている小説を読んだ人なら分かると思うが、表現がエロイ。そして、描写が細かくて、鋭い。また、誰もが持っている自意識過剰な部分の表現がすばらしい。熟考して自分の世界に閉じこもったり、浅慮で危ない目にあったりと凄く人間的だったりする。
分厚い本で上下巻、しかも続編も上下巻なので一度読み始めて嵌ると止められない小説だ。現在、新刊の『百万遍 古都恋情 上巻』を読書中。
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