Runtasticのデータをエクセルに取り込む方法
僕がランニングアプリを使い始めたのは「Runtastic」というアプリがある時代でした。
あの頃は、走行した平面地図のルート、ペースの推移、高低差グラフ、心拍数との同期をブラウザで一目で見られる、とても優れたインターフェースがありました。
しかしアディダスに買収されてから、サービスは「adidas Running」になり残念ながら以前よりも機能が削られて、ブラウザ上でアクティビティが閲覧できなくなった。
これは、Runtasticユーザーには大きな不満が残り、僕もその一人です。
データはある。でも活かせない
アディダスランニングにはエクスポート機能が残っています。
自分の全ランニング履歴をZIP形式でまとめてダウンロードできます。中身はJSONファイルという形式で、走行ごとのデータが保存されています。ただし問題はここから、
- JSONファイルはプログラミング知識がないと扱いづらい
- ExcelやGoogleスプレッドシートに直接は読み込めない
- 数百〜千件単位のファイルを整理するのは人力では不可能
結果、せっかく残されたデータも「眠ったまま」になっていました。
生成AIが伴走者になる時代
ここで登場するのが生成AIです。生成AIはJSONファイルを読み込んで解析してくれます。そのことを知ったのでAIにファイルを渡すと、僕がかつてできなかったことが一瞬で可能になりました。
実際の手順(誰でもできるレベルで説明)
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- runtastic.comからデータをエクスポート
adidas Running のアカウント設定から「データエクスポート」を実行
数日後、メールでダウンロードリンクが届き、ZIPファイルを取得できます
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- ZIPファイルを解凍
- フォルダを開き、次にSport-sessionsフォルダを開く
- Sport-sessionsフォルダの中に、日別のJSONファイルがあります
- データ数が多い場合は1年ごとにZIP化、データが少なければ一括でZIP化
- ChatGPTや類似の生成AIにZIPをアップロードする(1年ごとにZIP化しておくと処理が軽くなる)
- AIに指示する
例えば「このZIPを解凍して、日付・距離・時間・心拍・カロリーを表にしてください」と入力すると、AIが自動でJSONを読み取り、スプレッドシート形式の一覧表を出力してくれます。
さらに「年度ごとの総距離をまとめてください」とお願いすれば、年間サマリが生成されるし「距離推移をグラフにして」と言えば、自動でグラフ化も可能です。グラフ化は文字化けする可能性があるので、その場合はグラフ化の前にフォントファイルを添付します。
プログラミングや特別な知識は不要。AIに投げかけるだけで整った表やグラフを出してくれます。
僕は、年間100走しているのと年間集計をしてほしかったので1年ごとにZIPファイルにしました。生成AIはChatGPTを使いました。
データが語る「自分史」
僕自身のデータを解析してみると、
2015年:年間わずか229km(初心者期)
2017〜2019年:毎年1800km超えの安定期
2020年:ピークの2500km!月200km以上走破
2022年以降:心拍数も記録され、ペースが安定
と、過去10年の「ランニング人生」が数値で蘇りました。以下がエクセルにまとめたデータです。僕は細かいデータは必要ないので年間でまとめてもらいました。
年 | 総距離 (km) | 平均距離 (km) | 総時間 (分) | 総カロリー | 回数 | 最長ラン (km) |
2015 | 228.96 | 12.05 | 1,882,406 | 8,234 | 19 | 18.5 |
2016 | 435.06 | 8.53 | 3,143,285 | 23,530 | 51 | 17.19 |
2017 | 1617.66 | 16.34 | 10,908,379 | 96,040 | 99 | 22.08 |
2018 | 1902.7 | 17.46 | 12,252,722 | 117,597 | 109 | 21.5 |
2019 | 1811.09 | 17.25 | 11,442,534 | 113,716 | 105 | 22.02 |
2020 | 2505.07 | 17.52 | 16,254,489 | 148,645 | 143 | 20.7 |
2021 | 1747.81 | 16.03 | 11,242,403 | 102,946 | 109 | 18.22 |
2022 | 1663.07 | 15.69 | 10,623,887 | 90,850 | 106 | 20.84 |
2023 | 1614.42 | 15.83 | 10,634,717 | 85,802 | 102 | 18.69 |
2024 | 1607.28 | 15.91 | 11,016,966 | 88,171 | 101 | 17.47 |
また、データを解析してもらうと2019年以前と2020年以降でデータの粒度が違うこともわかりました。古いデータは「距離・時間」が中心で、新しいデータは「天気・地図トレース・心拍数」まで揃い、よりリアルに走行を再現できます。
これはアプリの進化と、自分の走りの変化がセットで見えてくる貴重な体験でした。
ガーミンとadidas Runningの併用
今では僕はGarmin(ガーミン)ウォッチを使ってランニングしています。
ガーミンは2022年2月から使い始め、それ以降はアプリ間の連携も進み、ガーミンからadidas Runningへの同期が取れるようになりました。
adidas Running は Garmini(ガーミンアプリ)よりもランニングに特化していて、シンプルに走行記録を振り返りたい僕にはとても使いやすいです。見慣れているということもあります。また、adidas Runningは複数のシューズ管理ができるのがいいです。だから今はGarminで計測 → adidas Runningで管理という形で併用しています。
ただし、それ以前のデータ(2015〜2021年)が抜け落ちてしまう問題がありました。
そこで今回、生成AIを使って過去のエクスポートデータを解析し、10年分の履歴を復元したというわけです。
技術は壁じゃない
以前は「自分には解析なんて無理」と思っていたことが、AIのおかげで「誰にでもできる」に変わりました。過去のデータは眠らせておくものではなく、AIに渡せば蘇らせられる資産です。
まとめ
Runtasticからadidas Runningになり、ブラウザ閲覧や地図同期機能は失われた。でもエクスポートすればデータは手に入る。生成AIを使えば、JSONから表やグラフを自動生成できる。
2015〜2021年の空白を埋め、10年分の自分史を再構築できた。現在はGarminとadidas Runningを併用し、過去と現在をつなげて管理している
ランニングだけでなく、さまざまなサービスから取り出したデータも同じように扱えるはずです。
「データをどう活かせばいいかわからない」と悩んでいる人にこそ、試してほしい方法だと思います。
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