スウィングの癖を知る　インサイド・アウトのヒールヒットで出るいろいろな球筋

トラックマンなどの弾道測定機が出てきたことで、自分がスウィングをしているのか、フェースのどこにあたっているかが知ることが出来るようになりました。これまでは感覚に頼ることが多かったスウィングの癖などが明確にわかるようになりました。

常々、フィッティングをしていると自分の癖を知っていても、どのように対処したらいいのか明確な答えを持っていない人が少なくありません。そこで、今回はインサイド・アウトのヒールヒットの人のデータを出してみました。この方は右方向への嫌悪が強く、左方向のほうがミスしても受け入れる傾向がありました。

画像1　インサイド・アウト　ヒールヒットでフェースが被ってしまうケースです。インサイド・アウトの軌道の人も以前はアウトサイド・インの軌道で苦労しているので右へ行くのを嫌がる傾向があります。ですから、どうしてもつかまえたくてフェースを被せる癖が出てしまいます。この場合だとヒールヒットしても左に行ってしまいます。

画像2　インサイド・アウト　ヒールヒットでインサイド・アウトの軌道（フェイストゥパス）が2を切ったとき。フェースアングルは画像1が-2.8ですが、画像2は-3.1と画像1よりも被っていますが、フェイストゥパスが画像1の4.8に対し、画像2は1.4とストレートに近い軌道になったおかげでフェースは被っていますが、ヒールヒット時のギア効果が働いてスピン軸は1.7とフェード回転になりボールは左打ち出しですが、我慢してフェアウェイに落ちています。

画像3　インサイド・アウト　ヒールヒットですが、ストレートに近い軌道なのでヒールヒット時のギア効果が働いてスピン軸が10.3と大きくなりスピン量も2990と増えてしまいました。また、スピンロフトが13.4と画像1や画像2に比べて増加したこともスピン軸が増えた原因です。この軌道のあとのショットは右を嫌がってフェースを被せてしまったので大きく左に行ってしまいました。

画像4　インサイド・アウト　ヒールヒットでフェースアングルが0.6オープン。これだと完全なスライスボールになります。次のショットでは画像3のときと同じようにフェースを被せて左に行っています。

試打室でこのような右に左にショットに安定性がないのは特別なことではなく、スライサー、フッカーの人は普通にいます。これは、自分のショットの傾向はわかっているけど対処の仕方がよくわかっていない人です。

クラブの軌道がインサイド・アウトにしろアウトサイド・インにしろ安定していれば対処のしようがあります。問題は軌道が安定しない人です。

軌道が安定している人は目標を設定して、とにかく目標の向かって打つだけです。インサイド・アウト　ヒールヒットの人の理想の弾道は画像2です。画像2同じ打ち出し方向を意識することでボールの着弾点が安定してきます。

どこを目標にして狙ったら、どこに着弾するか。このイメージを抱くことが大切です。私がフィッティングをするときには、打ち出し方向をイメージしてもらいます。その方向に打ち出しやすいクラブを選び出すことが、その人にとっての安定だと思っています。

画像1　インサイド・アウト　ヒールヒット　フェイストゥパス-7.6/スピン軸-16.4

画像2　インサイド・アウト　ヒールヒット　フェイストゥパス-4.5/スピン軸1.7

画像3　インサイド・アウト　ヒールヒット　フェイストゥパス-2.6/スピン軸10.3

画像4　インサイド・アウト　ヒールヒット　フェイストゥパス-1.6/スピン軸13.7