ラストワンマイルとはWikipediaによると「家庭や企業のユーザーに通信のための接続を提供する最終工程」とあるがこの本のラストワンマイルとは流通の最終工程となる運送会社の話。郵政民営化でコンビニから宅配を奪われた暁星運輸が今度はIT企業から法外な値引きを迫られる。新しい取引先を探すべく営業課長横沢が奔走するが簡単には見つからない。流通の最終工程を握る運送会社の新たな戦略と、IT企業から共同経営を持ちかけられたテレビ局がタッグを組んで新たなビジネスを起こそうとする。
楡周平氏の作品はスピード感があるので一気に読めてしまう。今回はビジネス小説だがモデルケースがあるだけに面白く、そのうえ新しいビジネスモデルも登場するからなおいい。『再生巨流』で運送会社を描いているだけあって一般には見えない部分が見えてまた面白い。
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