最近のアイアンは高くなりました。
ただ、ゴルフクラブの価格を調べると、量販店の店頭価格、ネットショップの最安値、期間限定クーポン、ポイント還元が一緒に出てきます。近くに量販店がない地域もありますし、ネット購入、専門店、フィッティング店など販路もさまざまです。
そこで今回は、店頭の実売価格や割引を使わず、メーカーが公表している税込価格だけで比べました。
対象は、ブリヂストン B-FORGED 100CB、スリクソン ZXi5、キャロウェイ X FORGED、テーラーメイド P7CB、タイトリスト T100です。完全に同じ性格のアイアンではありませんが、いずれもアスリートが選択肢に入れやすいモデルです。
2026年のメーカー価格
| モデル | セット構成 | 税込メーカー価格 | 1本単価 |
|---|---|---|---|
| ブリヂストン B-FORGED 100CB | #5~9、PWの6本 | 158,400円 | 26,400円 |
| スリクソン ZXi5(2026年型・スチール) | #5~9、PWの6本 | 171,600円 | 28,600円 |
| キャロウェイ X FORGED(2026年型) | #6~9、PWの5本 | 154,000円 | 30,800円 |
| テーラーメイド P7CB | #6~9、PWの5本 | 148,500円 | 29,700円 |
| タイトリスト T100(2025年型) | #5~9、Pの6本 | 178,200円 | 29,700円 |
セット価格だけを見ると、P7CBの148,500円がいちばん安く、T100の178,200円がいちばん高くなります。
しかし、P7CBとX FORGEDは5本セットです。ほかの3モデルは6本セットなので、そのまま比べることはできません。
1本単価で見ると、B-FORGED 100CBが26,400円、ZXi5が28,600円、P7CBとT100が29,700円、X FORGEDが30,800円です。#5を単品で加えて6本にそろえると、X FORGEDは184,800円、P7CBは178,200円になります。
最近はロングアイアンをユーティリティに替える人が増えたので、5本セット自体は不自然ではありません。ただ、「セット価格が下がったから値下げ」とは限らないところは見ておいたほうがよいです。
ブリヂストンは2年ごとに約9~10%上昇
| モデル | 発売年 | 6本セット価格 | 前世代比 |
|---|---|---|---|
| 221CB | 2022年 | 132,000円 | ― |
| 241CB | 2024年 | 145,200円 | +10.0% |
| B-FORGED 100CB | 2026年 | 158,400円 | +9.1% |
ブリヂストンは6本構成を変えていないので、価格の動きが分かりやすいです。2022年の221CBから2026年のB-FORGED 100CBまでで、132,000円から158,400円へ20%上がりました。
2年ごとに13,200円ずつ上がっています。1本当たりでは22,000円、24,200円、26,400円です。
この流れがそのまま続くなら、次の世代は6本で17万円台に入っても不思議ではありません。
スリクソンZX5・ZXi5は6年間で44.4%上昇
| モデル | 発売年 | スチール6本価格 | 前世代比 |
|---|---|---|---|
| ZX5 | 2020年 | 118,800円 | ― |
| ZX5 Mk II | 2022年 | 138,600円 | +16.7% |
| ZXi5 | 2024年 | 151,800円 | +9.5% |
| ZXi5 | 2026年 | 171,600円 | +13.0% |
値上がりが最も大きいのはスリクソンです。2020年の118,800円から2026年の171,600円へ、6年間で52,800円、44.4%上がりました。
2020年には1本19,800円だったものが、2026年型では28,600円です。6本セットの差額52,800円は、2020年当時の単価ならアイアン約2.67本分に相当します。
ZXi5は単純な一体型キャビティではなく、飛距離と寛容性を持たせた複合構造のプレーヤーズ・ディスタンス系です。昔のZX5とまったく同じものが値上がりしたわけではなく、製品自体の位置づけも上がっていると考えたほうがよさそうです。
5本セット化で価格が安く見えるモデル
キャロウェイ X FORGEDは、2024年型が#5~9、PWの6本で178,200円、1本29,700円でした。
2026年型は#6~9、PWの5本で154,000円です。セットの表示価格だけなら24,200円安くなっていますが、1本単価は30,800円へ3.7%上昇しています。#5を加えた6本では184,800円になります。
テーラーメイドも、近いカテゴリーのP7MC(2023年)が6本168,300円、1本28,050円だったのに対し、P7CBは5本148,500円、1本29,700円です。1本単価では5.9%上がりました。
今後も5本セット、場合によっては4本セットが増えるかもしれません。そうなるとセット価格だけでは価格動向が分かりにくくなります。必要な番手をそろえた総額と1本単価で見る必要があります。
タイトリストT100は4年間で1本12.5%上昇
| モデル | 発売年 | 1本価格 | 前世代比 |
|---|---|---|---|
| T100 | 2021年 | 26,400円 | ― |
| T100 | 2023年 | 27,500円 | +4.2% |
| T100 | 2025年 | 29,700円 | +8.0% |
T100は2021年から2025年までに、1本26,400円から29,700円へ12.5%上昇しました。
2021年型は標準セットが5本、2023年型以降は6本なので、セット価格だけを並べると値上げ幅がさらに大きく見えます。ここでも1本単価で比べるのが分かりやすいです。
鉄が高くなったから、だけでは説明できない
軟鉄アイアンの値上げなので、鉄やニッケルが高くなったからだと思いがちです。しかし、調査資料で確認した世界銀行のデータでは、鉄鉱石とニッケルのドル建て価格は2023年から2025年にかけて下がっています。
一方、ドル円は2021年平均の約109.8円から、2026年1~7月平均では約158.8円まで円安が進みました。
アイアンが日本製でも、シャフト、グリップ、タングステン、加工設備、めっき薬品、梱包材などには海外要因があります。さらに鍛造、CNC加工、研磨、熱処理、組み立て、検査、物流、人件費、広告費も入ります。
完成品価格に占める鉄そのものの割合はそれほど大きくないはずです。価格上昇は円安と人件費だけでなく、複合素材化、加工工程の増加、ブランドの価格設定が重なった結果だと思います。
次のモデルはどのくらいになるのか
ここからは公式発表ではなく、これまでの価格推移からの推測です。
現在のアスリート系アイアンは、標準スチールシャフトで1本26,400円から30,800円に集まっています。次のモデルチェンジで4~10%上がるとすると、1本はおよそ28,000円から34,000円。6本では17万円から20万円ほどになります。
ブリヂストンがこれまでと同じ13,200円刻みなら、100CBの次は6本171,600円。スリクソンが直近に近い上昇を続ければ、次期ZXi5は19万円前後が見えてきます。
X FORGED、P7CB、T100も、次の世代では1本31,900円から33,000円あたりが現実的な範囲かもしれません。5本セットなら16万円前後、6本そろえると19万円前後です。
ただし、円高が進んでも、すぐに価格が下がるとは限りません。メーカーは企画や発注の段階で為替を見ていますし、一度上がった人件費や加工費、物流費は簡単には元へ戻りません。値下げより、次世代の値上げ幅が小さくなる可能性を考えるほうが自然だと思います。
また、メーカーがセット価格を抑えるために本数を減らす可能性もあります。価格が据え置きに見えても、#5が単品になれば実質的には値上げです。
これからは1本3万円が普通になる
2020年のスリクソンZX5は1本19,800円でした。2026年の比較では、5モデルのうち3モデルが1本29,700円以上です。
アスリート系軟鉄アイアンは、「6本で12万円前後」から「1本3万円、6本なら18万円前後」という価格帯へ移ったように見えます。
次の世代では、単純な軟鉄鍛造キャビティでも1本3万円に近づき、タングステンや複合素材を使うモデルは3万円を超えるのが普通になるかもしれません。
価格を比べるときは、割引率ではなく、メーカー価格の1本単価と必要番手をそろえた総額を見る。今後はこの見方をしないと、本当に上がったのか、セット本数が減っただけなのか分かりにくくなると思います。
メーカー公式情報
※価格は2026年8月5日時点で確認できた税込メーカー公式価格です。店頭実売価格、ネット最安値、クーポン、ポイント還元は比較に使用していません。今後の価格は過去の推移からの個人的な推測であり、メーカー発表ではありません。

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