S&P500、7000ポイント目前の落とし穴?上昇相場の終焉を示唆する3つの危険なサイン

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はじめに:好調な市場に潜む警戒シグナル

米国の主要株価指数であるS&P500は、高値圏での推移を続け、市場は活況を呈しています。多くの投資家がこの力強い上昇基調に楽観的な見方を強める一方で、その裏側では、テクニカル分析が示すいくつかの「転換のシグナル」が現れ始めています。好調に見える相場だからこそ見過ごされがちな、しかし重要な意味を持つ危険なサインです。

本記事では、現在のS&P500チャートに潜む3つの警戒すべきサインを、専門用語を避けながら分かりやすく解説します。

サイン1:チャートが描く「上昇ウェッジ」という転換の形

現在のS&P500の日足チャートには、「上昇ウェッジ(くさび形)」と呼ばれる形状が形成されています。これは、高値を更新し続ける中で、上値と下値の変動幅が徐々に狭まっていくことで描かれるチャートパターンです。

一見すると上昇が続いているように見えますが、テクニカル分析の世界では、この形状は「上昇力の低下」を示す典型的なサインとされています。買いの勢いが徐々に弱まっており、相場が転換点に近づいている可能性を示唆します。特に注目すべきは、心理的な節目である7000ポイントが強力な上値抵抗として意識される一方、下値は6920ポイント付近が防衛ラインとなっている点です。この6920ポイントは、SMA10(10日移動平均線)とウェッジの下限が重なる極めて重要な水準であり、ここを終値で明確に割り込むと、売りが加速する恐れがあります。その場合、6800-6850ゾーンへの調整も視野に入ってきます。

サイン2:株価と逆行する「勢いの枯渇」という矛盾

次に、相場の勢いを測るRSI(相対力指数)に注目します。現在のRSIは60-65近辺で推移しており、まだ過熱感の域には達していません。しかし、今後警戒すべきなのは「逆行現象(ダイバージェンス)」が発生するシナリオです。

仮に、今後S&P500が現在の高値を超えて上昇したにもかかわらず、RSIがそれに追随できず、前の山よりも低い水準にとどまるという現象が発生した場合は注意が必要です。これは、価格はかろうじて上昇しているものの、その裏側では買いの勢いが確実に衰えていることを意味します。いわば「見せかけの上昇」であり、水面下で上昇エネルギーが枯渇しつつあるサインです。このダイバージェンスが確認された場合、それは上昇トレンドが終わりに近づいていることを示す強力な警戒シグナルとなりえます。

サイン3:好材料が出尽くす「事実売り」という罠

最後のサインは、テクニカルな指標ではなく、市場心理に関わるリスクです。現在、市場参加者の間では「米国経済は堅調であり、ソフトランディングに向かう」という共通認識が広がっています。しかし、この楽観的な見方は、すでに現在の株価に十分織り込まれていると考えるべきです。

このような状況で注意すべきなのが、「事実売り(Sell the Fact)」という現象です。これは、期待されていた好材料が実際に発表されたとき、それが材料出尽くしと見なされて、逆に売りが加速するという市場のメカニズムです。

「経済は堅調(ソフトランディング)」という共通認識は、既に米株価に織り込まれています。来週からの米企業決算発表で、市場の高い期待値に届かなかった場合や、企業の見通しが慎重であった場合、材料出尽くしによる「事実売り(Sell the Fact)」が出やすい環境と考えられます。

つまり、今後の企業決算が市場の高い期待に少しでも届かなければ、それが失望売りを誘発する引き金になりかねないのです。

結論:今、投資家が心に留めるべきこと

ここまで見てきたように、現在のS&P500は「上昇ウェッジ」の形成、RSIにおける「逆行現象」発生の可能性、そして好材料織り込み済みによる「事実売り」のリスクという3つの警戒シグナルを内包しています。これらのサインは、現在の高値圏が新たな買いよりも「利益確定」の売りが出やすい局面にある可能性を示唆しています。

特に、株価がSMA10および6920ポイント(ウェッジの下限)を明確に下抜けて終値が確定した場合は、調整が本格化する合図となりえます。

現在のS&P500は、上昇トレンドの最終局面に位置している可能性があり、上値余地よりも下値リスクの方が大きくなっていると見ます。

好調な相場だからこそ、熱狂に流されることなく、冷静に足元に現れているリスクを見つめ、次の一手を慎重に考えるべき時なのかもしれません。

【図解】

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