iDeCo・確定拠出年金を徹底解説(11)商品を放置するとどうなるのか?

資産運用

 

iDeCoで商品を放置するとどうなるのか?

指定運用方法も含めてやさしく解説

iDeCoを始める人の中には、口座の開設までは進めても、そのあとで運用商品をなかなか決められない人がいます。金融機関を選ぶところまでは勢いで進めても、いざ「どの商品にするか」と聞かれると急に不安になり、そのまま先送りになってしまうのです。けれど、ここで知っておきたいのは、iDeCoは口座だけ作って完全に白紙のまま置いておける仕組みではない、ということです。運営管理機関によっては、加入者が商品を選ばないまま一定期間が過ぎると、あらかじめ定められた「指定運用方法」が購入される仕組みがあります。

この「指定運用方法」という言葉は少し固く聞こえますが、意味としてはそれほど難しくありません。加入者が自分で商品や配分を決めないまま時間が過ぎたときに、そのまま放置状態にしないための受け皿のような仕組みです。国民年金基金連合会の資料では、運営管理機関はあらかじめ指定運用方法を定めて加入者に提示し、商品選択がない場合にはその方法で運用が行われると説明されています。つまり、「決めない」という選択をずっと続けられるわけではなく、一定のルールの中で何らかの運用が始まる可能性があるということです。

では、どのくらい放置するとそうなるのか。ここも先に知っておくと安心です。iDeCo公式サイトなどの案内では、最初の掛金納付後、一定の「特定期間」が設けられ、その後さらに猶予期間があっても商品選択がされない場合、指定運用方法を選んだものとみなされる仕組みが説明されています。一般的には、最初の掛金納付日から3か月以上の特定期間と、その後2週間以上の猶予期間を経ても選択がない場合に、この扱いになる流れです。つまり、申し込んだ直後にすぐ自動で何かが買われるというより、考える時間は与えられるものの、そのまま永遠に待ってくれるわけではない、という理解が近いです。

ここで大事なのは、「指定運用方法があるなら、自分で考えなくてもいいのでは」と受け取らないことです。指定運用方法は、加入者が何も決めなかったときの安全装置のような位置づけであって、「その人にとって最適な商品」を個別に選んでくれるものではありません。厚生労働省は、指定運用方法について、長期の積立・分散投資に資するような基準に適合する商品が対象になることを示していますが、それでも最終的に自分の考え方やリスク許容度に合っているかまでは、自動では調整されません。つまり、制度として最低限の受け皿はあるけれど、自分に合った設計を代わりにしてくれるわけではない、ということです。

実際、ここでつまずく人の多くは、「何も選ばないこと」が中立だと思ってしまいます。けれど、iDeCoでは何も選ばないことも、結果としてはひとつの状態を招きます。自分で商品を決めなければ、あらかじめ定められた方式で進む可能性があるからです。ですから、口座だけ開いて満足してしまうのは避けたほうがよく、本当に大事なのは「加入したこと」ではなく、「どう運用するかを自分で決めたこと」にあります。国民年金基金連合会のリーフレットでも、商品選択や配分指定が重要な手続きとして位置づけられています。

では、放置を防ぐにはどうすればいいのか。いちばん現実的なのは、最初から完璧な商品選びを目指さないことです。完璧に決めようとするほど、人は動けなくなります。むしろ、「元本確保型を含めるのか」「投資信託をどれくらい持つのか」という大きな方向だけでも先に決めておくほうが、放置を防ぎやすくなります。iDeCo公式サイトでも、加入者自身が商品と配分比率を決める仕組みだと説明しており、まずは自分で意思決定することが前提になっています。

また、商品を後から見直すことはできますが、だからといって最初の設定を軽く見てよいわけではありません。最初の数か月は、制度への不安が大きく、いちばん放置しやすい時期でもあります。そこで何も決めずにいると、「もうよく分からないからこのままでいいか」となりやすくなります。最初に自分なりの仮の配分でも決めておくことは、運用成績のためだけではなく、制度との距離感を近づけるためにも大切です。これは制度上の義務というより、長く続けるための実務上のコツに近い話です。

iDeCoでは、商品を決めずに放置すると、一定期間のあとに指定運用方法が適用されることがあります。だから、口座開設だけで安心するのではなく、自分で商品と配分を決めるところまで進めたほうがよい、ということです。指定運用方法は「何もしなくていい仕組み」ではなく、「何もしなかったときの受け皿」です。自分の老後資金を自分の考えで持ちたいなら、完璧でなくても、まずは自分で選ぶところまで進むことが大切です。

参考サイト

厚生労働省 確定拠出年金制度

iDeCo公式サイト

 

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