日経平均とS&P500を比べる前に。円換算と配当込みで変わる長期成績の見方

資産運用

日経平均とS&P500の長期チャートを比べると、どちらがどれだけ上がったかに目が行きます。以前、このブログでも過去40年の推移を取り上げましたが、自分のお金の増え方と重ねる前に、確認しておきたい条件があります。

それは、円かドルか、配当を含むか、いつをスタートにするか。同じ名前の指数でも、比較条件が違えば数字の意味が変わります。今回は売買の予想ではなく、チャートを読むときの確認点を整理します。

ドルで10%上がっても、円で10%とは限らない

為替ヘッジをせずに米ドル建ての資産を持つ場合、円で見た金額には資産自体の値動きとドル円の変化が重なります。仕組みだけを見るため、手数料・税金・配当を除いた仮定の例で計算してみます。

100ドル分の資産を、1ドル150円のときに持ったとします。最初の円換算額は15,000円。この資産が110ドルになったとき、ドルでは10%上昇しています。

売却時の仮定 円換算額 当初15,000円からの変化
1ドル150円 110ドル×150円=16,500円 +10.0%
1ドル135円(円高) 110ドル×135円=14,850円 −1.0%
1ドル165円(円安) 110ドル×165円=18,150円 +21.0%

ドルでは値上がりしていても、円高が重なると円で見た評価額は減ることがあります。逆に円安なら、値上がりをさらに押し上げます。これらは仕組みを示す試算で、実際の相場や将来の予測ではありません。

計算式は「資産の値上がり倍率×ドル円の変化倍率−1」です。円高の例なら1.10×0.90−1=−0.01。10%上昇と10%下落を足し引きしてゼロ、と考えると少しずれるわけですね。

株価だけの指数と、配当込みの指数

S&P Dow Jones Indicesの公式ページには、S&P500のPrice Return、Total Return、Net Total Returnという区分があります。株価の変化を見るものと、配当を再投資した場合を含めて見るものでは、長期の比較結果も変わります。税引後の扱いにも区分があるので、名前を省略したグラフには注意したいところです。

日経平均にも、構成銘柄の配当を加味する「日経平均トータルリターン・インデックス」があります。片方だけ配当込みにすると、同じ条件での比較にはなりません。

出典元:S&P Dow Jones Indices「S&P 500」日経平均トータルリターン・インデックス

始点を100にしても、揃わない条件がある

指数の値そのものは基準が違うので、何ポイントかを比べるだけでは運用成績の比較になりません。同じ日の値を100として増減を見ると分かりやすくなります。ただし、100に揃えるだけでは通貨や配当の違いは消えません。

比較グラフを見るときは、開始日と終了日、円換算の有無、配当込みかどうかをセットで確認したいですね。特に、過去の高値から始めた期間と、安値から始めた期間では、受ける印象も違います。

また、指数の成績と、毎月積み立てた自分の損益は一致しません。積立では購入日と購入額が複数に分かれますし、実際の投資信託には信託報酬や指数とのずれもあります。為替ヘッジ付きなら、その条件やコストも別に確認する必要があります。

僕なら、まず円ベース・配当込み・同じ期間で大まかな違いを見て、そのあとで保有商品の資料を確認します。過去に強かった指数を探すだけでなく、自分の評価額が何で動いたのかが分かると、数字の受け取り方も少し落ち着くと思います。

関連記事:日経平均とS&P500の過去40年の推移と変化

確認日:2026年9月9日。表は仮定の試算です。過去の成績は将来の運用成果を保証しません。

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