7月16日、スコッティ・キャメロンの日本限定モデル「2026 JAPAN LIMITED GOLO 6.2R」が発売されました。
価格は154,000円(税込)。パターとして考えればかなり高価です。それでも公式オンラインショップ分は完売。店頭でも、発売日に行けば普通に選んで買える、という商品ではありませんでした。
「日本限定」「数量限定」「スコッティ・キャメロン」。この3つがそろえば人気になるのは分かります。
ただ、最近の限定モデルを見ていると少し違和感があります。本当にコースで使いたいゴルファーだけが買っているわけではないからです。
僕はこれを勝手に「スコッティキャメロン騒動」と呼んでいます。
発売日にお店へ行っても遅い
普通の商品なら、発売日が分かれば「その日に見に行こう」となります。
ところが人気の限定スコッティ・キャメロンは、それでは遅いことがあります。正式な発売日の前から情報が広がり、販売店には予約が入る。一般のゴルファーが発売日に「ちょっと構えてみようかな」とお店へ行ったころには、すでに商品がないんですね。
今回、タイトリスト公式オンラインショップでは、33インチまたは34インチのどちらか1本だけ。複数回の注文はすべてキャンセル、日本国外への転送を請け負う倉庫への注文もキャンセルすると明記されていました。
かなり厳しい販売条件ですが、それでもオンライン販売分は完売しています。
販売店側が対策しても、家族や知人の名義を使うなど、制限をかいくぐろうとする人は出てくるでしょう。結局、本当に欲しい人が発売日に定価を持って店へ行っても買えない。なんだかなあ、と思います。
「自分に合うか」より「買えるか」が先になった
GOLO 6.2Rは、日本のツアープレーヤーからのフィードバックを反映したミッドマレットです。303ステンレススチールのボディ、アルミニウムソール、フェースインサートを組み合わせ、ネックは公式表記でプラミングネック(通称クランクネック)。トウフローはミディアムです。
大きめのマレットを見ると、オートマチックに真っすぐ動く、誰にでもやさしいパターだと思う人がいます。
でもGOLO 6.2Rは、安定感を持たせながら操作性も残したパターです。適度なフェースの開閉を使うセミアーク系のストロークには合いやすいと思いますが、ストロークのタイプによっては違和感が出るかもしれません。
つまり、本来なら試打したいパターなんです。
構えてみる。ストロークしてみる。15万円以上を払う前に、自分の打ち方と合うかを確認する。それが普通だと思います。
ところが限定モデルになると、「試打してから考えます」と言っている間になくなってしまう。
とりあえず予約する。買ってから考える。合わなければ売ればいい。さらに、最初から使うつもりがなく、売ることを前提に買う人もいる。
ゴルフクラブを選ぶ順番が、完全に逆になっています。
普通のゴルフクラブとは正反対
キャロウェイやテーラーメイドなどの通常モデルは、新製品が出て時間が経つと、旧モデルがマークダウンされることがあります。
待てば安くなる可能性があるわけです。
ところが限定スコッティ・キャメロンは反対です。待つと新品がなくなり、定価では買えなくなる。供給が少ないまま欲しい人が多ければ、中古市場では定価以上の値段が付くこともあります。
今のゴルフ市場には、
- 待ったほうが安く買えるクラブ
- 待ったら定価で買えなくなるクラブ
が同時に存在しています。
普通のクラブは、一度使えば中古品になって価値が下がります。限定モデルは、使わずに保管されていること自体に価値が付く。ゴルフクラブが「使う道具」だけではなく、時計やスニーカーのような収集品になってきたということなのでしょう。
しばらくすると中古ショップに並び始める
限定スコッティ・キャメロンで毎回不思議に思うのがここです。
発売時には「完売です」と言われ、どこにもない。それがしばらくすると、中古ショップに未使用品や、ほとんど使われていない商品が並び始めます。
そして値札を見ると定価より高い。
「あれだけ商品がなかったのに、ここにはあるじゃん」となるわけです。
もちろん、需要が多く供給が少なければ価格が上がるのは自然です。メーカーには限定商品でブランド価値を高める狙いがあり、販売店にも中古ショップにも、それぞれの商売があります。転売そのものの善悪をここで決めるつもりもありません。
でも、ゴルファーの立場から見ると、やっぱり少し寂しい。
メーカーが154,000円という価格を付けている。154,000円を払うつもりもある。それなのに154,000円では買えない。この感覚です。
「騒動」より「協奏曲」なのかもしれない
考えてみれば、この状況にはいろいろな人が参加しています。
限定品を作るメーカー。予約を受ける販売店。発売前から情報を集める人。コースで使いたいゴルファー。傷を付けずに保管したいコレクター。値上がりを期待して買う人。そして、後から中古市場で買う人。
それぞれが違う目的で同じパターを追いかけている。
「スコッティキャメロン騒動」と呼んでいましたが、「スコッティキャメロン協奏曲」のほうが合っているのかもしれませんね。きれいに調和しているというより、少し音が多すぎる協奏曲ですが。
ゴルフクラブは使ってなんぼだと思う
スコッティ・キャメロンには、所有する楽しさがあります。きれいな削り、独特の形、ヘッドカバー、限定モデルならではのデザイン。GOLO 6.2Rにも、日本の伝統文様である青海波が使われています。
持っているだけで嬉しくなる気持ちはよく分かります。
でも、パターです。グリーンでボールを転がすための道具です。
ソールに傷が付く。汚れる。それでいいと思うんですよね。
限定パターをコースへ持って行き、「傷を付けたくないな」と思いながら使う。それもスコッティ・キャメロンの楽しみ方でしょう。
だからこそ、本当に使いたいゴルファーが普通に買えるといい。
次に中古ショップへ行ったとき、GOLO 6.2Rが何本並んでいるのか。そして、いくらの値札が付いているのか。ちょっと見てみようと思います。
たぶん、そこまでが「スコッティキャメロン騒動」なんでしょうね。
メーカー公式情報
※価格、仕様、販売条件、在庫表示は2026年8月12日時点で確認したメーカー公式情報です。中古市場の価格や在庫は店舗・時期によって変わります。

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