昭和20年。荒廃した新宿でわずかばかりの金と十箱の煙草で、組事務所の襲撃を請け負った特攻くずれの城山龍治。美貌と性技で女を篭絡し、明晰な頭脳でのしあがろうとする朝鮮人、林敬元。訳あって東京へと流れてきた天涯孤独の生娘・岡崎百合子。過酷な運命に抗いながら、見えない糸で絡まりあっていく三人の壮絶な人生を描破し、現代人が忘れてしまった人間の本性と闘争、そして底知れぬ恋情を謳い上げた昭和スペクタクル小説。
花村ワールド満載だが、主人公の城山龍治が死んでしまってから話は尻すぼみに。この物語は3人が揃っていて成り立つのだと思う。それと、朝鮮人・林敬元がいつの間にか朝鮮人でなくなっているのに不自然さを感じた。全3巻で読み応えはあるが、最後の下巻は半分以上がおまけみたいに感じてしまった。ちょっと残念。
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