はじめに
LINEスタンプは友達や家族とのコミュニケーションを楽しくするツールとして人気があります。最新のAI技術を活用すれば、絵が苦手な方でも簡単にオリジナルのLINEスタンプを作成することができます。この記事では、ChatGPT 4oを使ってLINEスタンプを作成する方法を詳しく解説します。
準備するもの
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- ChatGPT Plus(有料版)アカウント
– 画像生成機能を連続して利用するために必要です(月額約3,000円)
– 無料版だと画像生成の枚数に制限がかかります。
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- LINE Creators Marketアカウント
– LINEスタンプを販売するためのアカウント
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- 画像編集ツール(オプション)
– 生成した画像のサイズ調整などに使用(Canvaなど無料のオンラインツールでOK)
– WindowsアプリのペイントでもOK(透過やサイズ変更に使用)
1. LINEスタンプの基本要件を理解する
LINEスタンプを作成する前に、LINE Creators Marketの要件を把握しておきましょう。
販売単位
- 8、16、24、32、40枚の1セットで販売
必要な画像
- メイン画像: 横240px × 縦240px(1個)
- スタンプ画像: 横370px × 縦320px以内(8〜40個)
- トークルームタブ画像: 横96px × 縦74px(1個)
ChatGPTでは1024x1024の正方形で出力されます。指定のサイズにリサイズします。
画像フォーマット
- PNG形式
- 背景透過
- 解像度72dpi以上、カラーモードはRGB
- 1個あたり1MB以下
テキスト制限
- クリエイター名: 50文字以内
- スタンプタイトル: 40文字以内
- スタンプ説明文: 160文字以内
- コピーライト: 50文字以内(英数字のみ)
2. ChatGPTを使ったスタンプ画像の生成
ステップ1: キャラクターのコンセプトを決める
まずは、どのようなキャラクターのスタンプを作るか決めましょう。
- 可愛い猫のキャラクター
- コミカルな表情のニワトリ
- シンプルな線画風の犬
ステップ2: ChatGPT 4oで最初のスタンプを生成する
ChatGPTに以下のようなプロンプトを入力して、最初のスタンプ画像を生成します。
条件:
- 背景は透過(白色)
- キャラクター: [あなたのキャラクター設定]
- シンプルで分かりやすいデザイン
- 表情: [喜び/悲しみなど]
- メッセージ性がある
具体的なプロンプト例
条件:
- 背景は透過(白色)
- キャラクター: コミカルな表情のニワトリ、大きな目、ふわふわした羽
- シンプルで分かりやすいデザイン
- 表情: 笑顔で喜んでいる
- メッセージ性: 「ありがとう」を表現
ステップ3: 同一キャラクターで複数のスタンプを作成する
DALL-Eで同じキャラクターの複数のバージョンを作成するには、「gen_id」と「seed値」を活用します。これにより、キャラクターの一貫性を保ちながら異なる表情や状況のスタンプを作成できます。
- gen_idを取得する:
最初に生成した画像のgen_idを教えてください
- プロンプトとシード値を取得する:
プロンプトをシード値も含めてJSON形式で教えてください
- プロンプトを固定して新しいバリエーションを作成する:
次のプロンプトを元に、同じキャラクターで「おやすみ」と言っているバージョンを作成してください。プロンプトは変更せず、必ず追加する形でお願いします。
{
"genid": "[取得したgenid]",
"prompt": "Never change the prompt for any reason. If you must change it, do so by appending it to the current prompt. [元のプロンプト全体]",
"seed": [取得したシード値]
}
この方法を繰り返して、8枚以上の同一キャラクターによる異なる表情・状況のスタンプを作成します。
ステップ4: 画像の調整(必要に応じて)
ChatGPTで生成された画像は1024×1024pxサイズのため、LINEスタンプの規格に合わせて調整が必要です。
- 背景が完全に透過されていない場合は、画像編集ツールで調整
- 文字が入っている場合は、日本語対応が必要なら別途追加
3. LINE Creators Marketに登録・申請する
ステップ1: LINE Creators Marketに登録
- LINE Creators Marketにアクセス
- LINEアカウントでログイン
- クリエイター情報を入力
ステップ2: スタンプを登録・申請する
- 「新規作成」から「スタンプ」を選択
- 必要なメイン画像、トークルームタブ画像、スタンプ画像をアップロード
- スタンプのタイトル、説明文などを入力
- スタンプのタグを設定(自動設定も可能)
- 「リクエスト」ボタンから審査を申請
ステップ3: 審査の待機と対応
- 審査期間は約2日間(2024年時点)
- リジェクト(審査不合格)の場合はLINEアプリから通知
- 理由に応じて修正し、再申請
ステップ4: 販売価格設定と販売開始
- 審査通過後、「販売価格情報」タブから価格を設定
- 「リリース」ボタンで販売開始
4. 審査通過のポイント
LINEスタンプの審査を通過するために注意すべきポイント(ガイドライン)
審査通過のコツ
- 日常会話で使いやすいシンプルなデザイン
- 表情やメッセージが分かりやすいもの
- キャラクターのバリエーションが豊富なもの
- 背景が適切に透過されている
審査に通りにくいもの
- 著作権侵害のあるデザイン(既存キャラクターの模倣など)
- 公序良俗に反する表現
- 過度な暴力表現や性的表現
- テキストに誤字脱字がある
- 宗教・政治的な表現
- 肌の露出が多いデザイン
5. 実践例:ChatGPTでLINEスタンプ作成の具体的手順
例1: コミカルなニワトリのスタンプ
- 最初のスタンプ生成
『LINEスタンプ風に可愛いニワトリのキャラクターを生成してください。背景は白、大きな目で表情豊かな、コミカルなデザインでお願いします』
- gen_idとシード値の取得
『ChatGPTに「gen_idを教えてください」と「プロンプトをシード値も含めてJSON形式で教えてください」と質問』
- バリエーション作成
JSON形式のコードが出力されますので、それをコピーして使います。
まとめ
ChatGPT 4oを活用すれば、イラスト制作のスキルがなくても魅力的なLINEスタンプを作成できます。以下のポイントを押さえておきましょう。
- LINEスタンプの基本要件を理解する
– 画像サイズ、フォーマット、販売単位など
- ChatGPTでの効果的なプロンプト作成
– 具体的な指示と条件を明確に伝える
– 同一キャラクターの一貫性を保つためのgen_idとseed値の活用
- 画像の調整と最適化
– LINEスタンプの規格に合わせたサイズ調整
– 背景の透過確認
- 審査のポイントを押さえる
– 著作権侵害や不適切な表現を避ける
– 日常会話で使いやすいデザインを心がける
- 継続的な改善
– フィードバックを基にスタンプデザインを改良
– ターゲット層に合わせたテーマや表現の工夫
- 分からないことはChatGPTに聞く
– 分からないことはChatGPTに聞くと教えてくれます。
– アイデア(セリフやポーズなど)出しや修正の仕方など
この方法を使えば、約2時間程度でオリジナルのLINEスタンプセットを作成し、審査に提出することが可能です。あとは審査に通れば、あなたのオリジナルスタンプが世界中のLINEユーザーに使ってもらえるチャンスがあります!
あなただけのオリジナルLINEスタンプ作りに、ぜひChatGPTの力を活用してみてください。
以下は実際にChatGPTで生成した画像です。
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