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『流転の海』シリーズ 宮本輝

ようやく最新刊の第五部の『花の回廊』が読み終わった。松坂熊吾一家は大阪(第一部)から伊予へ(第二部)、伊予から大阪へ(第三部)、大阪から富山へ(第四部)、そしてまた大阪へ(第五部)。事業を立ち上げて、軌道にのると投げ出すという熊吾の性格のお
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『流転の海』 宮本輝

『流転の海』は宮本輝の自伝的小説で父をモデルに書かれた大河小説である。この作品はシリーズ化して現在は第5部の『花の回廊』まで出版されている。僕は第三部の『血脈の火』が出版されたときに最初から読み、第四部の『天の夜曲』が出版されたときにも最初
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『卒業 一九七七』 鳴海 章

甘くて苦い青春グラフティーを鳴海章が書くとこうなる。主人公は現在39歳になった雑誌編集者。同窓会の誘いを受けて地元北海道に帰る。その時に青春時代を振り返る。現在と18歳の時と時代を行き来しながらあの頃を振り返る。 僕の18歳の頃よりも少しだ
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『リミックス』 藤田 宜永

41歳のさえないDJと21歳のキレてるラッパー・冬実の恋を描いた作品。ラッパー志望の冬実はキレやすい。純粋なのかもしれないが、心にキズを負ってそれが原因で他人対して突飛な行動をとってしまう。そんな、冬実に恋をしてしまったDJアミーゴは不満を
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『シネマ・シネマ・シネマ』 梁 石日

読んでみると梁石日氏の自叙伝的な小説な気がする。主人公は在日の小説家・ソン。彼の作品を映画化したいといやはり在日の人たちが次から次へと出てくるが、どれも怪しげ。騙されたり、予算がなくてお金を貸したり、映画に出演させられたりととにかく忙しくて
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『慟哭』 貫井 徳郎

貫井徳郎ってどういう書き手?と言うぐらいこの人のことは全然知らない。読んでまず思ったのは一生懸命に書かれていること。そして、丁寧に事件を追いかけていること。少女誘拐事件と新興宗教に勧誘される男の2本立てで話は始まる。どこかで交差するのだろう
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『旅のいろ』 北方 謙三

主人公の弁護士・風間は友人の冬美に頼まれて離婚問題の相談にのることになった。依頼主の女性聖子はどこにでもいる普通の女性なのに、気になる。聖子は相手に対してとことん尽くすタイプでありながら、相手の男性に惜しげもなくお金を使う。そして、儲けるつ
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『パンドラ・アイランド』 大沢在昌

小笠原諸島の本島から船で1時間30分かかる離島に保安官として赴任した高洲。島は戦時中はアメリカ軍が駐留していて、その時の遺産を巡って様々な事件が勃発。島民はそれぞれの事情から秘密を持っているといるので事件の真相がなかなかつかめない。 離島に
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『ジェネラル・ルージュの凱旋』 海堂尊

東城大学病院を舞台に繰り広げられた医療ミステリー『チーム・バチスタの栄光』『ナイチンゲールの沈黙』『螺鈿迷宮』に続く第4弾。 この作品は『ナイチンゲールの沈黙』が表とすると、その裏舞台で繰り広げられているもう一つの物語といった感じ。まあ、手
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『火天の城』 山本兼一

織田信長の家臣で築城の総頭領として使えた岡部又右衛門似息と息子の似俊を描いた作品。 山本兼一氏は時代の主役ではなく脇役にスポットライトを当てるのが上手い。人使いのあらい織田信長の下で無理難題を押しつけながらも城を築き上げていく。織田信長の安
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『血涙―新楊家将』 北方謙三

この本は中国の宋の時代に生きた武門の楊家を題材にした『楊家将』の続編。楊家将では楊家の家長・楊業の壮絶なる生き方を書いたが、今回の『血涙』では悲運と言うべきか国を背負った兄妹の戦いを描いている。 北方謙三氏の描く時代物は日本であれ中国であれ
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『杖下に死す』 北方謙三

主人公の光武利之と大塩平八郎の息子格之助の友情を描いた本だが、続編というべきか主人公・光武利之の20年後を書いた『独り群せず』を読んで面白かったので再読した。一度読んでいるけど読み始めるまではほとんど内容を覚えていなかったが、読み始めると記
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『雷神の筒』 山本 兼一

織田信長に鉄砲の威力を伝え、戦に鉄砲のあり方を進めた橋本一巴の生涯を描いた作品。橋本一巴の鉄砲に掛ける思い、こだわりという部分では面白い。また、鉄砲と言えば雑賀孫一だが、孫一と一巴との絡みというのもいい。ただ、信長の激しい気性からするといつ
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『独り群せず』 北方謙三

主人公は大塩平八郎の乱を描いた『杖下に死す』に出てくる光武利之。彼は幕府お庭番の村垣淡路守定行を父にもつ剣豪。妾の子として表舞台にはでないが裏で暗躍する。話は大塩平八郎の乱から20年後のこと。光武利之は剣を捨て大阪で料理人として静かに暮らす
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『砂の狩人 (上・下)』 大沢在昌

『北の狩人』『砂の狩人』きているので狩人シリーズと呼んでもいいだろう。主人公はそれぞれ違うが、サブキャラクターの新宿署マル暴刑事・佐江が共通する。今回の『砂の狩人』は『北の狩人』よりもヒリヒリするストーリーになっている。主人公の元刑事・西野
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『北の狩人(上・下)』 大沢在昌

新宿を舞台にした警察とヤクザと台湾マフィアとの話だが、新宿鮫とは違ったテイストのエンターテインメントで面白い。主人公は若くて気持ちが真っ直ぐな青年。鍛えられた身体で機敏な動き。それなのに格闘シーンが少ないのはちょっと残念かな。話が2転3転し
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『探偵ガリレオ』 東野圭吾

東野圭吾が直木賞を受賞した『容疑者Xの献身』に登場する天才科学者・湯川学が主人公の話。ミステリーだが実験的な面白さはあっても、ミステリーとしてはいまいちでした。軽いタッチなので読みやすいけどね。 この本は今年の10月から月9で、福山雅治主演
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『まとい大名』 山本一力

江戸時代の火消し達の話ですが、ストーリーにしまりが無いのが残念。ただ、食事の場面の描写は相変わらず匂いたつような感じで良かったです。
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『いっしん虎徹』 山本 兼一

これまで時代小説は何冊も読んできたが今回の『いっしん虎徹』に描かれている刀鍛冶を題材にした物語は初めて。主人公は実在する長曽祢興里。江戸初期の名刀鍛冶で現在もその名刀が残されている。時代物は書き手によって面白みが違うので、僕の場合は嵌るとそ
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『風化水脈 新宿鮫Ⅷ』 大沢 在昌

新宿鮫で登場した真壁が出所してきた所から話が始まる。鮫島は高級車窃盗団の捜査をしている。捜査の途中で知り合った駐車場の管理人大江。登場人物が複雑に絡み合って最後にはスッキリほどけて行くのは相変わらずだが、今回は新宿という街を掘り下げているだ