「箸の持ち方」に感じる違和感の正体とは?――脳と習慣化のちょっと深い話

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友人との食事中にふと気づく。

「自分の箸の持ち方、なんだか変じゃない?」と。

子供の頃、両親や先生から正しい箸の持ち方を教わったけれど、いま自分がしている持ち方とは違う。大人になった今、正しい持ち方に戻そうとすると違和感が強くてなかなか続かない……。

こうした経験は、多くの人が抱える小さな悩みかもしれません。でも、この違和感、実は脳が起こす“成長痛”のようなものなのです。

違和感とは脳の「予測誤差」である

私たちの脳は、日々の行動を効率よく行うために、「予測モデル」を持っています。箸を持つという動作もその一つ。長年慣れ親しんだ持ち方は、脳にとって「安心して使えるテンプレート」です。

ところが正しい箸の持ち方に変えると、この脳内テンプレートとのギャップが発生します。このギャップを脳は「違和感」として認識。脳の帯状回や扁桃体が警告を発し、ストレスや不快感を引き起こしてしまいます。

なぜ人は「違和感」を避けたがるのか?

新しい行動を学習するのは脳にとって負担です。既に慣れている習慣を続けるほうがエネルギー消費が少ないため、脳は自然と「認知的怠惰」に陥ります。結果的に「箸の持ち方くらい、まあいいか」と諦め、慣れた持ち方に戻ってしまうのです。

また、一度でもこの「違和感→不快→回避」の流れを経験すると、脳はさらに早く回避行動を取ろうと学習します。だから三日坊主になりやすいのです。

三日坊主を乗り越えるための3つのヒント

① 「秒」から始める小さな習慣

いきなりすべての食事を正しい箸の持ち方にすると疲れてしまいます。最初は「食事の最初の一口だけ」「10秒間だけ」といった小さな目標を立てましょう。脳の抵抗感を抑え、スムーズに習慣化できます。

② 達成感を記録して楽しむ

箸の持ち方を改善した日にカレンダーに印をつけたり、簡単なメモを書いたりしましょう。視覚的に進歩が分かると達成感が持続し、脳はその行動を「快」と認識して続けやすくなります。

③ 朝のルーチンに組み込む

新しい習慣を定着させるには、既存のルーチンにくっつけるのが効果的です。例えば「朝食の最初の一口だけ正しい持ち方で食べる」と決めると、無理なく日常に定着させやすくなります。

「違和感」をポジティブに捉えよう

違和感を感じるとき、それはあなたの脳が「新しい自分へのアップデート」を始めている証拠です。

  • 「違和感=成長中!」と考える。
  • 自分の中に実況者を設定して面白がる。
  • 「未来の自分」に向けて手紙を書く。

こんなふうに、楽しみながら違和感と付き合う工夫をしてみましょう。

箸の持ち方を改善するメリットを意識する

違和感を克服するモチベーションを保つには、「メリット」を明確にすることが重要です。

  • 見た目が美しく、食事の場で自信が持てる
  • 食べ物をこぼさず食べられる
  • 子どもや周囲の人に良い影響を与えられる

こうしたメリットを紙に書き、日常で目に付く場所に置いておくと、気持ちが折れそうな時に再びやる気が湧いてきます。

まとめ:違和感は小さな革命への招待状

箸の持ち方は些細なことかもしれません。でも、小さな習慣の改善は、脳が新しい動作を習得するプロセスそのもの。その仕組みを理解し、小さな工夫を楽しみながら続けていけば、違和感がいつの間にか喜びや達成感に変わっていくはずです。

これは、箸の持ち方だけでなく、ペンの持ち方などもそうです。すべては個性であり、癖です。ただ、この癖を治そうとすると「違和感」が発生します。

「違和感=成長痛」としてポジティブに向き合い、新しい習慣を楽しんで育ててみませんか?

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