昭和8年、牡丹の彫り物をもつ夜鷹の女が、のちに日本のヤクザ社会を震撼させることになるひとりの男児を産み落とした。
浅草の侠客・浜嶋辰三のもとで育てられた神崎武美は、辰三の命を守るため幼くして恩人を手にかけ、やがて稀代の暗殺者へと成長してゆく。対立組織に追われ、ロスに潜入した神崎は、日本人街の母娘に導かれてキリスト教に接するのだが……。
ひとりのヤクザの生涯を描き、圧倒的な迫力と深い余韻を残す渾身の大河長篇。
伊集院静氏の久しぶりの小説は7つの短編からなる連作小説。主人公の神崎武美の存在は神ががっているので、他の作家が書けば「そりゃないだろう」と思うところだがこの作品は違うんだな。まあ、伊集院さんの作品はほとんど読んでいるので贔屓目に見てしまうところはあるけどね。それでも、僕は面白いと思うナ。
作家・伊集院静の公式サイト
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