ドライバーのアドレスでスタンスの広さはひとによってまちまちですが、アマチュアでドライバーが苦手な人は肩幅と同じぐらいにするのがいいです。それは、なぜか?
なぜ、ドライバーのスタンスは広めにしてしまうのか?
ゴルフクラブの中で、一番スウィングスピードが出るのはドライバーです。ドライバーよりもスウィングスピードが出るクラブがある人は、ドライバーで飛距離が出ていません。
スウィングスピードが出るということは体を一番動かしています。体を動かすということは、不安定になることもあるということです。不安定になると球筋が荒れる傾向にあります。となると、心は安定を求めるので、スタンスを広めにとってドッシリ構えるようになります。
ドッシリ構えるとなぜか安心感があります。人間は不安よりも安心をとる生き物なので、安心する行動をとります。これが、スタンスが広めになる原因です。
スタンスが広くことで起きる現象とは?
スタンスが広くなることで起きる現象は
- 左右に動く可動範囲が広がる
- 重心を下げたくなる
- 体重移動が大きくなる
- 回転運動が鈍くなる
などです。スタンスの幅で私が広いと感じるのは足が肩幅よりも外にある場合です。具体的に説明すると直立した状態の肩幅はアドレスした時よりも広いです。この直立した状態の肩幅がどのぐらいか測って、それよりも外側に両足が出てしまった状態です。
アドレスすると両腕が前に出るので肩幅は直立した状態よりも狭くなります。アドレスでは両足が肩幅よりも外に出ている場合もあります。
左右に動く可動範囲が広がる
スタンスが広いとドッシリして安定感があるように思います。しかし、スタンスが広い分だけ左右の動きが大きくなりやすいです。足を揃えて直立の状態を想像してください。直立の状態だと左右に動く範囲は限られてしまいます。また、回転運動という点では上半身から捻りやすいです。ですが、徐々にスタンスを広くしていくと、左右に動きやすくなり、上半身をひねると下半身の動きも大きくなります。
ゴルフクラブを持たない状態では、身体の軸を意識して回転できますが、クラブもって素振りをすると軸がぶれ始めます。そして、ボールを打つときになると左右動きが大きくなり軸もブレてしまいます。
重心を下げたくなる
スタンスが広くなると重心を下げたくなるので、セットになりやすい動きです。直立した状態で前傾をとった時に比べて、直立を維持した状態で徐々にスタンスを広げて前傾をとると脚裏にテンションがかかるの分かります。テンションがかかった時に少し膝を曲げてあげると和らぐのが分かります。
また、スタンスが広い状態で膝を曲げるとなんとなくドッシリ感があり安心になります。人間は棒立ちの直立状態よりも脚を広げて重心を下げたほうが安心感があります。『打つスポーツ』ということでいうと、野球、テニス、卓球などでは直立姿勢の人はいません。必ず脚を広げて重心を下げて瞬時に動ける状態を作ります。特に野球をやっている人は力強く振るにはある程度スタンスを広げたほうが効果があるのが分かっています。直立の状態と重心を下げた状態ではどちらが力が入るかと言えば、重心を下げた状態の方が力が入ります。これは、人間の意識としては当然の動きです。
初めてゴルフクラブを振る時は棒立ちで振る人が多いですが、周りのアドバイスやYOUTUBEなどで情報が入り始めると徐々にスタンスを広げ始めます。しかし、スウィングするときに力んで上手く当たらないことが多くなります。力んでスウィングすると上体がぶれるのが分かるので、ブレないように重心を下げてドッシリ感を出します。
重心を下げるのは、不安定からの抜け出すための人間の本能なので、自然な動きです。しかし、アマチュアにとって重心を下げるのはあまりよくないです。
体重移動が大きくなる
体重移動が上手くいかず右体重のままスウィングしてい人はスタンスが広い場合が多いです。特に動きの大きいドライバーでは上体を安定させるためにスタンスを広げて重心を下げるてしまいます。
スタンスを広げると動きが大きくなるのは前述しましたが、ドライバーではダウンブローになりやすいです。というのも、ボールを左足の踵に合わせてセットした場合、スタンスが狭い人に比べてスタンスが広い人の方が、身体の軸がボールから少し離れます。人間はボールを打つときに、ボールを打ちに行く傾向にあります。ボールを打ちに行くということは体が前に、左に動きます。
スタンスが広いほどテークバックで右へ行った重心を(ボールを打ちに行くので)左に、前に移動させます。するとカット打ちになったりヒールに当たったりしてボールが曲がりやすくなります。
体重移動は大事ですが、ドライバーが苦手な人は体重移動をあまりしないようにスタンスは狭くした方がいいです。
回転運動が鈍くなる
スタンスが広いと左右の移動が大きくなることは書きましたが、回転運動も鈍くなります。直立した状態では体重移動がないので回転運動は速くできます。しかし、体重移動があると回転運動は自然と鈍くなります。
また、ドライバーが苦手な人はボールを打ちに行く(ボールに体が向かう)場合が多いので回転よりも移動が大きくなってしまいます。
回転運動が鈍くなるのはスタンスが広いことだけが原因ではなく、ボールを打ちにく(ボールに向かう)動作が回転運動を鈍くしてしまう原因でもあります。
頭の中のイメージや素振りでは出来ても実際にボールを打つとなると、イメージ通り出来ないのは「打つ」という動作(意識)の方が回転するという動作(意識)よりも強いからです。素振りはボールがないので、回転するという動きに集中できますが、ボールがあると、打つという動作に集中してしまいます。
不安を解消するために
スタンスを狭くしてスウィングをするとなんとなく不安定な気がしてしまいます。不安定な状態でボールを打ち続けた場合、徐々にスタンスは元の状態に戻ります。それは、人間は不安定な状態を嫌がるので、徐々に安定する状態に戻るのです。また、結果が出ないと元に戻る傾向にあります。
ドライバーが苦手な人は、心が不安になります。すると、安心するためにはどうしたらいいかを考えます。解決策はネットやSNSなどにいっぱい出ていますが、何を試しても上手くいかない。これは、試したは良いけど結果がすぐに得られないので、そのチャレンジをやめてしまいます。
今の状態は、自分にとって違和感のないスウィングをしている状態です。その状態がよくないのであれば、違う動きを取り入れるしかないです。違う動きを取り入れるということは、「違和感」や「不安定」になることで、それを受け入れて違和感がなくなることで、正しい動きを手に入れることが出来ます。
大きな動きは違和感があり、受け入れるのが難しいですが、スタンスを少しだけ狭くするのはアドレス時に注意すればいいだけだし、静止している状態なので確認もできます。
スタンスを少し狭くするとヘッドスピードが落ちて、飛ばないのではないかと思っています人が多いです。ですが、スタンスを少し狭くして試打してもらうとヘッドスピードは変わらず、ミート率が上がって飛距離が伸びることが多いです。
スタンスが狭くなると力が入らない(力まない)状態になります。力まない状態だと、身体の動きがスムーズになります。すると、ミート率が上がることがあり飛距離が出ます。
ただ、スタンスが狭いと不安定な状態なので、何球も打っているうちに徐々にもとに戻ります。また、時間が経つとスタンスを狭くした方がよかったことも忘れ、いつもの状態に戻ります。
渋野日向子と川崎春花のアドレス
渋野日向子プロのアドレスはやや広めですね。肩幅よりも両足が外に出ているのが分かります。また、重心も低めで前傾もやや深めです。力感があるアドレスですね。
川崎春花プロのアドレスを見ると渋野日向子プロよりも立っている感じで腕も絞り込んでいません。重心も高めですね。ドライバーが苦手なアマチュアには理想のアドレスに見えます。
今の自分がどんなアドレスをしているのか、曲がる原因が何なのか。アドレス、スウィングなどをいろいろな角度からビデオ撮影して、自己分析ができると良いです。
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