軽いクラブに変えるとヘッドスピード(クラブスピード)が上がると思っている人は多いと思います。それは、『軽い=速い』『重い=遅い』というイメージは、物理学的や日常経験に基づいています。例えば、軽いボールは投げると速く飛び、重いホーガン投げの鉄球は大きな力が必要で遠くに飛びません。
これらのことは生きている上で自然と経験しているので、本能的にそう思ってしまうのは当然なんです。ですが、ゴルフクラブにおいては『軽い=速い』『重い=遅い』が当てはまらないことが多いです。
大事なことは現在使っているゴルフクラブが重いのか軽いのか?振りやすいか振りにくいか?これが、分からないとヘッドスピードは上がりません。
クラブを変えてヘッドスピードを上げるにはどうしたらいいか?
現状、トレーニングなど筋力アップをしないでヘッドスピードを上げるには2つあります。
1.スウィングを変えてヘッドスピードを上げる。
2.クラブを変えてヘッドスピードを上げる。
1については現状のスウィングに問題があれば変えることでヘッドスピードは上がる可能性はありますが、スウィング改造には時間と手間がかかるのでかなり根気がいります。
2については、現状のクラブがあっていなければクラブスピードが上がる可能性はあります。
今回は2の「クラブを変えてヘッドスピードを上げる」について解説します。
クラブを変えてヘッドスピードを上げる
年間、500人以上のゴルファーをフィッティングしているとヘッドスピードを上げたくてクラブを変えたい人と思っている人が多くいます。彼らに共通している認識はクラブを軽くするとヘッドスピードが上がる『軽い=速い』という考え方です。
ヘッドスピードが速くなるためにはクラブを軽くするという考え方は常識的でありますが、当てはまらない人も多いです。
クラブを変えてヘッドスピードを上げるには、今使っているクラブが合っていない場合だけです。クラブが合っているかどうかは、気持ちよくスウィングしてフェアウェイに高い確率でオンできることです。
クラブを軽くしてヘッドスピードが上がる場合
今使っているクラブが重い場合は軽くすることでヘッドスピードが上がることがあります。重いかどうかはなかなか分からないと思いますが、フィニッシュが上手く取れない、スウィングした後に体制が崩れるなどの場合は、クラブを軽くすることで体制を崩すことがなくヘッドスピードが上がると思います。
また、重いクラブを使ったときに出やすい症状としてはトップからダウンスウィングするときにクラブを下すのではなく、引っ張る傾向が強くなります。そうなるとフェースが開いたままクラブが下りてくるのでスライスしやすくなります。
クラブを重くしてヘッドスピードが上がる場合
これは、若い人に多いです。最初に買うクラブは軽くてボールに当てやすいものを選ぶ傾向にあります。これは、ゴルフスウィングが出来ていないで軽い方が当てやすいからなんです。ですが、徐々にスウィングが出来るようになるとボールは飛ぶようになります。しかし、クラブが軽いと徐々にボールが左右に散らばるようにようになります。
ゴルフスウィングには成長曲線があり、振れない人が振れるようになると自然とクラブスピードが上がるようになります。振れないときに使うクラブと振れるときに使うクラブでは当然重さや硬さが違ってきます。
振るスポーツ全般に言えることですが、振れないうちは軽いもの、振れるようになると思いもの、その方が振りやすくなります。
また、振りやすいということはコントロールしやすいと言うことにつながります。
私はその人がどんな感じでスウィングしているか常に観察しています。今使っているクラブに違和感を感じたときはその人に合うと思うスペックのクラブを提案します。また、クラブスピードが上がるように「飛ばす」ことよりも「方向性」を意識してもらいます。
「飛ばす」ことに意識が向くとクラブスピードはなかなか上がらないし、方向性が悪くなります。それは、脳内に「飛ばす」ことへの意識が集中しすぎているからです。「方向性」を意識すると力まなくなる傾向になり、無駄な力を使うことなくスウィングできる場合があるのでクラブスピードが上がり飛距離が伸びます。
ただ、フィッティングにおいて「方向性」への意識づけは継続できないのも事実。飛距離が伸びると次は「もっと」と思うのがゴルファーですから。
「力まない」=「クラブスピードアップ」につながりますが、「力めない」=「クラブスピードダウン」になります。
ゴルフのスウィングは一定ではありません。体調によっても昨日と今日でクラブスピードは違ってきます。「あの時はよかった」これは事実ですが、継続は出来ないと思っていたほうがいいです。
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