Qi10 MAXとG430 MAX 10K 慣性モーメント10Kがこれからのスタンダードになる

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テーラーメイドとピンの2024年モデルにはQi10 MAXとG430 MAX 10Kという2つの慣性モーメントが10Kのモデルが発売されました。ピンはもともと慣性モーメントが大きいモデルを発売していました。G430シリーズでも慣性モーメント(MOI)が9700あるG430 MAXがありましたが、今回は更に大きいMOI 1000を実現したG430 MAX 10Kを発売します。

それに対してテーラーメイドはこれまで慣性モーメントの大きさについては言及していませんでしたが、今回は10Kを大きく打ち出してきました。奇しくもテーラーメイドとピンが同時にMOI 10Kモデルを出すというのは偶然だったのでしょうか?

 

テーラーメイドのQi10 MAXはテーラーメイド史上最大のMOI

テーラーメイドのQi10シリーズがリリースされ、1月19日に試打クラブが入荷しました。そして、Qi10シリーズのドライバーをしてからそれぞれのスペックを確認したところ、これまでのテーラーメイドとは違うことに気づきました。

 

STEALHTとQi10の違い

ライ角 SIMやSTEALHTではライ角は全モデルで統一でしたが、STEALHT2からモデルごとにライ角を変えてきました。

長さ SIMやSTEALHTでは長さは全モデルで統一でしたが、STEALHT2 HDとQi10 MAXは0.25インチ短くなりました。

グリップ SIMシリーズやSTEALHTシリーズではグリップはロースピンモデルは47.5g、それ以外の2モデルは42gでしたが、Qi10シリーズでは全モデルで47.5gになりました。

ヘッド重量 これまではヘッド重量の重さは『ロースピンモデル>ストレート系>ドローバイアス系』の順でしたが、Qi10シリーズでは『Qi10 MAX>Qi10 LS>Qi10』の順になっています。いわゆる、一番優しいモデルが一番ヘッド重量が重たい仕様になっています。

私がドライバーのヘッド重量を測り始めてからQi10 MAXは最大の重さでした。

SIMシリーズやSTEALHTシリーズの販売実績を見ると、一番売れているのは真ん中のモデル(いわゆるストレート系)で次にロースピンモデル、ハイドローモデルの順でした。スライサーが多いのにも関わらずハイドローモデルの売り上げがふるわないのは日本人特有の『見栄』や『真ん中志向』が強いのからだと思います。接客をしていても明らかにドローバイアス系が合うはずなのに、真ん中のモデルを使いたがる人が多いです。

このことから、テーラーメイドではハイドロー系をやめて、ロースピン系、ストレート系、大MOI系に変えています。ピンのG430シリーズでも一番売れているのは慣性モーメントが大きいG430 MAXですからね。

 

G430 MAX 10KはG430 MAXとG430 LSTの良い所どり

G430 MAX 10Kは10Kばかりが注目されていますが、実はG430 LSTよりもロースピンモデルです。カタログなどにはロースピンとはどこにも書いていませんがこれは『ロースピン=難しい』というイメージがあるからです。

実際に試打してもスピンは少ないし、フィッティングしていてもスピンが減る傾向にありました。でもロースピンだからと言ってつかまりが悪いわけではありません。G430 MAX 10KとあるようにG430 MAXをさらに改良して10Kにしているので、基本はG430 MAXと同じです。

G430 MAXのMOIは9700ですが、そこから300上げて10Kにするために、クラウン部とソールの一部をカーボンにして投影面積を大きくしています。ヘッドの一部をカーボンにすることで余剰重量が生まれるので、それをどこに配分するかです。G430 MAX 10Kのソールウェイトはピン史上最大の28gです。ヘッド後方に28gを配置してもヘッドが後ろに倒れなくするように重量配分されているはずです。G425ではソールウェイトが重いせいでへっどが後ろに倒れる人が多くいましたが、G430ではそれが改善しました。

欧米人に比べて非力な日本人でも使えるクラブがじつは世界スタンダードになっています。そのことは、アメリカについで市場規模が大きいのが日本だからです。ちなみにG425からG430になったときに打音が改善されましたが、これは日本からのフィードバックがあったからです。

 

ヘッドサイズはMAX

USGA規制ではヘッドのサイズにもルールがある。Qi10 MAXとG430 MAX 10Kはルールギリギリのサイズになっていると思います。私はQi10 MAXとG430 MAX 10Kのヘッド幅(フェースからヘッド後方)までのサイズを測ったところ、ほぼどちらも同じでした。

今後、他のメーカーが10Kモデルを出したとしてもサイズはQi10 MAXやG430 MAX 10Kよりは大きくなることはないでしょう。

ヘッド体積は同じでも投影面積が大きいと『ヘッド大きい』と感じる人が多いです。ヘッドが大きいとヘッドが重いと感じます。これは、脳内で『大きい=重い』という思考がデフォルトで働くからです。

また、ヘッドが大きいとつかまらないのではと思う人がいますが、今のテクノロジーでは大きくてもつかまるヘッドが出来ます。人間のもつイメージは思考を停止してしまいます。テクノロジーは常にしんかしているので、これで出来なかったことが出来るようになる。出来るようにするために企業努力をしているのですが、思考が停止している人は残念ながらこれを受け入れられないんですね。

 

10Kは新基準になる

MOIを大きくするだけなら簡単のようです。ただし、使えるクラブにするためにここまで時間が掛かったようです。慣性モーメントが大きいが大きいということは『ブレない』『真っすぐ飛ぶ』です。ヘッドの大型化にともないスウィング理論も大きく変わってきました。

メジャーの選手は300ヤードを超えるのが標準です。小さいヘッドの時は『ヘッド動かして飛ばす』でしたが、大きいヘッドになってからは『ヘッドを動かさずに飛ばす』に変わってきています。飛距離性能が上がっているのは『曲がらないヘッド=ヘッドの大型化』だからです。

私はテーラーメイドのQi10 MAXのスペックを見たときに、テーラーメイドは新しいことにチャレンジしていると感じました。そして、ピンがG430 MAX 10Kを出したことで10Kが新基準になると思っています。

Qi10 MAX 10Kを試打したことのない人はぜひ試打してみてください。

 

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